2012 Fiscal Year Annual Research Report
島弧型玄武岩質マグマ噴火のマグマ系と噴火機構解明のための日ロ共同研究
Project/Area Number |
22253005
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中川 光弘 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (50217684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 浩晃 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (30301930)
宮町 宏樹 鹿児島大学, 理工学研究科, 教授 (30182041)
松島 健 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (40222301)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | クリチェフスコイ火山 / カムチャッカ / 玄武岩質マグマ / 噴火機構 / 傾斜観測 / 火山岩岩石学 / マグマ供給系 |
Research Abstract |
24年度では8月の現地調査において、カムチャッカ火山地震観測所の維持する観測点に設置した傾斜計、およびロシア側既設の地震計・GPSのバッテリー交換等の保守を行った。そして観測を継続するとともに、ロシア側データの収集を行った。岩石学的試料の採取は、24年度は山頂部に重点をおいた。標高3400~3800m付近までで山頂火口より噴出した噴火年代の明らかな噴出物について,火山地質学的手法により噴火推移を復元し,代表的試料を採取した。また山麓部についても前年度に引き続き、地質調査と岩石試料の採取を行った. また日本の衛星ALOSのデータを用いたクルチ地域の干渉SAR予備解析を実施し、GPSなど地上観測値とのデータ統合化について検討したが、さらなる解析を行う必要がある. 23年度に採取した噴出物のXRFによる全岩化学組成分析を継続実施した。微量元素・同位体比分析については質量分析計の調整が必要となり、25年度に本格的は修理を行うこととした。24年度に採取予定のサンプルについてロシアからの輸入に時間がかかったが、年度内には分析を開始できると考えている.現在までの解析では、過去80年間の噴火では、噴火年代毎にマグマ組成が異なることが確認できた。またその差は結晶分化やマグマ混合などの浅所マグマ内のプロセスだけで説明できず、より深部からの異なる多様な玄武岩質マグマが頻繁に上昇していることを示唆している。 なお24年度に実施予定の、ロシア側海外共同研究者との平成25年度の観測・研究に関する打ち合わせを、ロシア側の都合により25年7月に実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定した観測点に傾斜計を設置でき、さらに各年度での保守も実施でき、傾斜計だけではなく地震・地殻変動などの種々のデータは順調に収集された。また地質調査・試料採取も順調であった。ただし、試料輸出手続きの煩雑さのため日本での分析作業が遅れ気味である点、また山頂火口の調査が技術的な面でできなかった点が問題であった。
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Strategy for Future Research Activity |
観測については観測点の保守およびデータの回収はロシア側との密接に連絡をとりながら継続させることが重要である。地質調査および試料採取については、山頂火口周辺については4500mを超える高地であることから、専門の登山家のアドバイスとサポートが必要であり、その準備を進める。
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Research Products
(15 results)