2011 Fiscal Year Annual Research Report
仮想計算環境のためのプログラミングシステム・フレームワークに関する研究
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22300006
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
加藤 和彦 筑波大学, システム情報系, 教授 (90224493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉木 章義 筑波大学, システム情報系, 助教 (50536828)
長谷部 浩二 筑波大学, システム情報系, 助教 (80470045)
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Keywords | オペレーティングシステム / 分散システム / 仮想マシン |
Research Abstract |
平成23年度は,前年度の設計に基づき,プログラミングシステム・フレームワークの本格的な実装を進めた.本システムの基本構成要素である仮想マシン内のサービスコンポーネント,コンポーネントを統括するコンポーネントモニタ,および各コンピュータノードを監視するノードモニタの実装の品質を高め,これらのコンポーネントをさまざまなスクリプト記述で組み合わせ,サービスの提供における各タスクの目標を達成できることを確認した.本システムでは,ApacheやHadoopなどの既存のアプリケーションからサービスコンポーネントを自動生成する機能を有しており,レガシーなアプリケーションを容易に本システムに対応させることができる.また,一旦サービスコンポーネントが作成されれば,コンポーネントモニタやノードモニタが提供する仮想マシンや物理マシンの管理機能を利用し,信頼性や可用性,スケーラビリティを高めていくことができる.その際,本システムでは,これらの機能をスクリプト記述によって短期間で実現することが可能であり,さらに特定のサービスに特化した高機能なコンポーネントを追加すれば,サービスの品質をより高めることができる. 本研究課題の意義や特徴は,クラウドコンピューティングに求められる信頼性や可用性を維持しつつ,柔軟性や俊敏性を高めている点にある.利用者の需要の変化や環境の変化に対応する柔軟性や俊敏性は,特にクラウドコンピューティングの普及とともに急速に必要とされており,クラウドコンピューティングの分野における重要な課題の一つである.一方で,オンプレミスで構築されていた重要なサービスのクラウドへの移行が進んでいることから,特定のサービスごとの信頼性や可用性の維持も重要な課題である.本研究はこれら2つの課題解決の両立を目指しており,最終目標が達成されれば,実社会においても大きな影響や効果があることを期待できる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は当初の研究実施計画書および交付申請書等に記載した計画の通り,順調に進展している.フレームワークの設計や実装については,中核部分の作業が完了し,2年目の終了段階において最終的な研究計画の実現の目処が立った段階にある。また現在,これらの実装を利用して,本格的な評価や対外成果論文化を進めている最中であり,今後の成果の充実を期待できる.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終年度となる平成24年度は,これまでに作成したコンポーネントを組み合わせ,障害や性能の低下に対する監視機構や自律分散制御機構の作り込みを進めていく.特に,それぞれのコンポーネントは各計算資源に対する詳細な情報の取得やフィードバックを行うための機構を有していることから,これらをスクリプト記述によって組み合わせ,自動的な監視や自律分散制御機構を実現できることを期待できる.また,ApacheやHadoopなどの既存のアプリケーションを包み込んだ粗粒度のコンポーネントだけではなく,より粒度の小さい単機能のサービスコンポーネントの組み合わせによってクラウドコンピューティング・システムを実現していくことも目指していく.
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Research Products
(3 results)