2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22300140
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
八神 健一 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40166476)
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Keywords | パルボウイルス / NS / エピジェネシス / 自己免疫病 |
Research Abstract |
パルボウイルス非構造タンパク(NS)による自己免疫疾患発症モデルマウスの開発を目標として、NS発現ウイルスベクターを感染させたリンパ球の形質変化とDNAメチル化修飾を、主としてin vitroで解析した。 1.NS-EGFP発現レンチウイルスベクターの作製 NSおよびレポーター遺伝子EGFPを共発現するレンチウイルスベクターを作製した。このベクターを用いて、マウスにおけるコラーゲン関節炎の発症に対するNSの影響の検討を計画したが、高力価のウイルスベクターを必要な量だけ準備することが技術的に困難でin vivo感染実験を実施できなかったため、in vitroでの解析を中心に実施した。 2.NSによるTリンパ球DNAメチル化の検討 これまでに、ウイルス感染後に出現するアポトーシス抵抗性リンパ球ではBmper(BMP binding endothelial regulator)遺伝子の制御領域CpGアイランドが高度にメチル化されていたことから、NS-EGFP発現レンチウイルスベクターをTリンパ球細胞株C58(NT)Dに感染させ、クローニングによりNS/EGFP強陽性細胞クローン及びNS/EGFP弱陽性細胞クローンを得た。Bmper遺伝子制御領域のDNAメチル化の検討を行った。感染耐過細胞ではDNAメチル化とBMPERの発現抑制が認められたが、NS発現クローンでは実験結果の再現性が不十分であった。 NSが感染リンパ球にエピジェネティック修飾を誘導することを証明できれば、リンパ球に感染するウイルスと自己免疫病等の発症メカニズムに新たな視点を提案できるので、実験条件を精査して再実験を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
レンチウイルスベクターの作製効率が悪く、感染動物実験に使用し得る高力価のウイルスを実験群に必要な量だけ得ることが困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
ウイルスベクターの培養規模を拡大し濃縮により高力価ベクターの再調整を続けるとともに、in vitroでのリンパ球の形質転換とエピジェネシス誘導の解析を中心に進める。
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Research Products
(1 results)