2012 Fiscal Year Annual Research Report
器械出し看護師ロボットにおける中枢神経系と末梢神経系の構築と統合に関する研究
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22300181
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
宮脇 富士夫 東京電機大学, 理工学部, 教授 (50174222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 康裕 東京電機大学, 理工学部, 教授 (60112877)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 知能ロボティックス / 外科 / モデル化 / 手術支援 / 看護師ロボット |
Research Abstract |
1)“外科モデルによる器械出し看護師ロボット(SNR)駆動”および“術中情報取得による外科モデル駆動”:昨年度開発に成功したDTRON(Uppaal Timed Automata (TA)とC++言語間の信号の遣り取りを可能にさせるアダプタ的ソフトウェア)をSNRシステム内の種々のC++アプリケーションと外科モデル内の種々のUppaal TAモデル間に組み込み、中枢神経系と末梢神経系の統合が基本的に完成した。 2)鏡視下手術の手術野における手術器具使用情報自動取得サブシステムの発展:金属製手術器具シャフトに貼付したフィルム状のRFIDタグの情報を安定的に読み取ることが可能なRFIDアンテナ内蔵トロカール・カニューレの開発に成功した。これは主にインピーダンス整合を図ることで達成できた。また、電気メス使用時の電磁干渉が発生しても誤認識を起こさないための電気メス使用時捕捉システムの改良策として、いかなるサイズの電気メスケーブルにも容易に装脱着可能な“超らせん構造コイル”を考案し、その有用性を実証した。 3)手術器具の位置情報取得と個別認証が可能な器具トレイ・サブシステムの開発:半導体素子による複数のRFIDアンテナ切替えに成功した。これまでの電磁リレー切替器では1回の切替時間は10 msであったが、半導体素子の場合は80 nsに短縮されるので、40個のアンテナ(各10×40 cm)の順次切替えが理論上は397 msだけ短縮できることになった。 4)SNR3号機のハンドの改良:1個のマッキベン・アクチュエータで駆動するハンドの軽量化に成功した。また、執刀医がその手術器具の柄を把持し少し持ち上げるだけで、SNRが器具を放す機構も考案した。 5)内視鏡画像のリアルタイム解析:内視鏡画像のリアルタイム解析を可能にすべく、種々の波長の光に対する臓器表面の反射特性を動物実験で行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Uppaal TAとC++言語との間で信号の遣り取りを可能にさせる(SNRの中枢神経系と末梢神経系をつなぐ)ソフトウェアであるDTRONの開発に成功したので、本研究の最重要課題が達成できたことになり、研究は順調に進展していると判断した。因みに、Uppaal TAとC++言語との間の信号伝達時間は現状では約0.7 msであり、ヒトの神経細胞間の信号伝達時間である約0.5 msにほぼ匹敵する値となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
手術器具の位置情報取得と個別認証が可能な器具トレイ・サブシステムの開発を重点的に行う。複数のRFIDアンテナ切替えは半導体素子切替器の開発によって大幅に短縮できたが、1×1 cmの空間分解能で器具位置を同定できるに至っていない。これは複数のRFIDアンテナ間のクロストークが主因であると実証できたので、このクロストーク防止策を重点的に検討する。
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Research Products
(2 results)