2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22300205
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Research Institution | Japan Women's College of Physical Education |
Principal Investigator |
定本 朋子 日本女子体育大学, 体育学部, 教授 (30201528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小河 繁彦 東洋大学, 理工学部, 教授 (80553841)
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Keywords | 静的運動 / 運動後筋虚血 / 椎骨動脈血流量 / 内頸動脈血流量 / 超音波ドップラー法 / 血管抵抗 / 二酸化炭素濃度 |
Research Abstract |
大脳皮質を中心とした高位脳に血液を送る内頸動脈経路と中脳,小脳,延髄といった下位脳への血液を送る椎骨動脈経路とでは,静的運動および運動後筋虚血に対する脳血流動態が異なるのかどうかについて検討した.健康な成人女性10名が実験に参加した.ランプ状に上昇する負荷(随意最大握力の10%から30%へと3分間で上がる負荷)を掌握運動により保持する静的運動時および運動終了直後の活動肢動脈血流阻止時において,内頸動脈(ICA),椎骨動脈(VA),中大脳動脈(MCA)の血流量または平均血流速度を超音波ドップラー法により計測した.平均動脈血圧(MAP)を指動脈圧波形から計測した.ICAとVAの動脈血流量とMAPの比およびMCAの平均血流速度とMAPの比から血管抵抗指標を算出した.その結果,静的運動終了直前の血管抵抗は,内頸動脈経路(ICAとMCA)では安静時から約50%上昇したが,椎骨動脈経路(VA)では約10%程度の上昇にすぎなかった.また運動後筋虚血時においても,内頸動脈経路の値は安静時に比べ10~30%と有意に高い値を示すが,椎骨動脈経路ではほぼ安静時値に戻る,または安静時値時値以下となっていた.このように静的運動および運動後筋虚血において,動的運動時と同様に,2経路間の脳循環の違いが示された.両経路の脳血流動態の違いをもたらす要因として,連絡する脳細胞の代謝はじめ脳血管の二酸化炭素濃度の変化に対する経路間の感受性の違い等が考えられた. 上記の実験成果から,動脈血二酸化炭素分圧(PaCO_2)に対する2経路の血流応答特性の相違を検討するために,「吸入ガス自動供給装置」の実験装置を含む実験システムおよび計測手法を確立した.
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