Research Abstract |
本研究の目的は,薬物乱用の一次予防対策としての有効な健康教育プログラムの構築をめざし,青少年の薬物乱用の実態,背景・要因をEvidence(確証)として明らかにすることである。そのため定点(高校)での薬物乱用実態の継続的追跡,その背景要因のモニタリング的疫学調査(定点追跡調査)研究を4年間(本科研費採択期間)にわたって行う。初年度(平成22年度)は調査の準備段階に充てた。全国規模で定点校(H23,25年度に調査実施)を確保することを主目的に,Study Designの作成,定点校の確保,および次年度(平成23年度)調査実施に向けて,主に次のような準備を行った。1)調査質問内容の設定:喫煙,飲酒,薬物(5種)に関する経験の実態,意識,生活習慣等,2)個人情報保護の保証性の向上,3)定点校の確保:薬物乱用の実態調査では協力参加を得る段階が最も重要な課題となる。本調査では,まず,協力参加を依頼する高校(協力依頼対象高校)700校を全国の高校から層別一段集落法にて抽出し,これらの高校を3時期に分けて予定校数になるまで順次依頼を行うこととした。その結果,一次は依頼163校のうち32校が,その直後行った2次では依頼155校のうち28校に協力参加いただけ,この次点で計60校(現総生徒数約43,000人)の定点校を確保できた。次にH23年度調査実施に向けて,この規模に相当する調査票,個人封筒などを無駄なく準備することができた。4)上記高校への依頼には,調査の意義,調査票,実施要項,参考小論などの書状一式を送り,理解をいただくよう努めた。また,同時に文部科学省スポーツ・青少年局,学校健康教育課,各都道府県の教育委員会には本調査実施を周知していただくとともに,協力支援を依頼した。 ・以上,本年度行った定点校確保の方法は,大規模調査で協力数の確保が困難な調査においても応用できるプロトコールとなり得る事が考えられた。
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