2010 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギー代謝調節と睡眠制御の相互作用に基づく体重管理についての基盤研究
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22300233
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
徳山 薫平 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (00207565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 誠 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (50242409)
長坂 昌一郎 自治医科大学, 医学部, 講師 (00296112)
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Keywords | 食習慣 / 生活習慣 / 肥満 / 睡眠時無呼吸 / 間接熱量測定 / ヒューマン・カロリメータ |
Research Abstract |
食事摂取時刻がエネルギー代謝に及ぼす影響について検討した。平成22年度には遅い時刻の夕食摂取(夕食を19時に摂取した場合と、22時30分に摂取た場合の比較)がエネルギー消費量(睡眠時エネルギー代謝の亢進)や酸化基質の経時変化(睡眠時の脂肪酸化の抑制)に影響するが、1日のエネルギー消費量の総量には影響しないことを見出した。また夕食を遅い時刻に摂取した場合には睡眠時の血糖値が食後高血糖と重なった結果上昇し、また24時間の平均血糖値も僅かに上昇することを見出した。つまり、遅い時刻の夕食摂取の急性効果(単回の効果)としては、それがエネルギー消費を減少させて肥満の原因となるという仮説を支持する結果は得られていない。しかし、平均血糖値の上昇は遅い夕食摂取を1回経験した場合に既に認められており、好ましくないと考えられていた食習慣が実際に血糖調節に悪影響を及ぼす結果を得た。これらを論文としてまとめたが(Obesity Research & Clinical Practice印刷中)、平成23年度には朝食欠食がエネルギー代謝に及ぼす影響を検討する。 睡眠の質と量がエネルギー代謝に及ぼす影響を検討するために、睡眠時無呼吸のある被験者と健常人のエネルギー代謝を比較した(各8名)。睡眠の時間経過に伴なうエネルギー代謝の減少が睡眠時無呼吸のある被験者では小さい傾向が認められた。一般的に睡眠時無呼吸のある者は肥満傾向にあり、体重の異なる個体間のエネルギー消費の比較は、それを体重1k当りで比較するのか、あるいは体表面積当たりで比較するのかなどの議論があり単純ではない。そこで、睡眠時無呼吸を補正する装置(CPAP)を用いて同一個人内で睡眠時無呼吸の有無を設定する実験を開始した(現在2例目)。平成23年度には更に例数を増やして検討を進める。
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Research Products
(6 results)