2013 Fiscal Year Annual Research Report
唾液ストレスタンパクのモニタリングによるコンディション低下の予防に関する研究
Project/Area Number |
22300235
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
河野 一郎 筑波大学, 名誉教授 (00132994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 和弘 筑波大学, スポーツR&Dコア, 研究員 (00508286)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ヒートショックプロテイン / 運動 / 免疫機能 / 加齢 |
Research Abstract |
本研究では高齢者の中等度運動トレーニングが唾液HSP70濃度および血中リンパ球および単球に与える影響を検討することを目的とした.健康な高齢者32名を運動群(13名,年齢67.5±1.0歳)と対照群(19名,年齢67.5±0.8歳)に分けた.運動群は週2回,12週間の運動(マシンおよび自重負荷によるレジスタンストレーニング,自転車運動:最大酸素摂取量の40%で30分間)を実施し,対照群は日常生活を継続した.運動期間の前後に体組成を計測し,血液および唾液を採取した. 唾液量およびSIgA分泌速度について有意な変動はなかったが,SIgA濃度は運動群において上昇する傾向を示し,唾液HSP70濃度は運動期間後の変化率が対照群と比較し運動群において有意に高値を示した.血中の白血球,リンパ球,単球,T細胞,Th細胞,Tc細胞,Toll様受容体4発現単球の細胞数は両群ともに有意な変動は認められなかった.血中のCD28発現Tc細胞数およびCD80発現単球数は運動群において有意に増加した. 本研究より,唾液HSP70濃度およびSIgA濃度は運動トレーニングにより高まることが示され,高齢者の運動トレーニングには口腔免疫能を高める可能性が示唆された.HSP70には粘膜上皮細胞の保護作用があるため,唾液HSP70は病原体から口腔・咽頭の粘膜を保護しているものと考えられる.これらのことから,唾液HSP70は運動トレーニングが免疫機能へ与える影響を検討する指標となる可能性が示唆された.さらにCD28およびCD80によるT細胞活性経路が運動トレーニングによって亢進する可能性が示唆された.HSPは単球に結合することでT細胞の活性に関わる.従って,高齢者における運動トレーニングがHSPによるT細胞活性の経路を亢進させる可能性が考えられる.今後さらに詳細に検討する必要がある.
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)