2010 Fiscal Year Annual Research Report
地域在住後期高齢者におけるサルコペニアの早期予防戦略の構築及び効果検証
Project/Area Number |
22300243
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
金 憲経 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所 (20282345)
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Keywords | サルコペニア / 包括的介入 / 追跡調査 / 後期高齢者 / 老年症候群 / 運動 / カテキン |
Research Abstract |
地域在住サルコペニア高齢者における骨格筋量の増大、筋力あるいは歩行機能の改善を目的とした複合介入プログラム(運動+栄養、運動単独、栄養単独)を3カ月適用した時に得られる効果を総合的に検証するために、平成21年11月に72歳以上の高齢女性974名を対象に包括的健康診断を実施した。健診受診者の中から、BI法より求めた骨格筋量の減少、筋力低下、歩行機能の低下の選定基準を当てはめたところ351(36.0%)名がサルコペニアと判定された。サルコペニア改善のための介入参加者希望者186名をRCTより4群に分け、「運動+栄養」47名、運動46名、栄養47名、対照46名配置した。介入は運動、栄養補充であった。運動群には週2回、1回当たり60分の筋力強化運動を3カ月指導した。運動指導は、自重運動、椅子を用いた運動、バンド運動、アンクルウェイト運動として、サルコペニア高齢者が気軽に実践できる内容であった。栄養群には茶カテキン540mgを1日1缶飲料する指導を3カ月間実施した。飲んだ時間と量を「カテキン摂取記録カード」に記録するよう指導した。 運動指導24回のなかで、60%以上参加者を試験完了者と、59.9%未満を脱落者とみなした。3カ月介入後の身体機能の変化について重点的に分析した。その結果、通常歩行速度は、運動+カテキン群で事前1.24±0.19m/secから事後1.30±0.18m/sec(P=0.021)、最大歩行速度は運動+カテキン群で事前1.65±0.26m/secから事後1.72±0.23m/sec(P=0.024)、運動群で事前1.58±0.28m/secから事後1.73±0.25m/sec(P<0.001)、Timed Up & Goは運動群で事前7.17±1.44秒から事後6.53±0.73秒(P=0.038)、カテキン群で事前8.34±3.84秒から事後7.59±2.88秒(P=0.027)の有意な向上が観察されたが、対照群の変化は有意ではなかった。本研究で提供した介入プログラムは、サルコペニア高齢者の移動機能の改善に有効であることを検証した。今後、長期効果を検証するために、介入終了6カ月後の追跡調査を予定している。
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Research Products
(14 results)