2010 Fiscal Year Annual Research Report
中国・内モンゴル自治区におけるバイシンの間取りの変容に関する研究
Project/Area Number |
22300253
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
中山 徹 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (60222171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増井 正哉 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (40190350)
武藤 康弘 奈良女子大学, 文学部, 准教授 (80200244)
ヤ ル 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 博士研究員 (50570256)
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Keywords | モンゴル族 / 牧畜民 / 定着化 / 住環境 / 中国 |
Research Abstract |
内モンゴル自治区における住居の変容を地域別に把握するため、草原地域であるシリンゴル盟及び沙漠地域であるアラシャ盟にて現地調査を実施した。 ◆シリンゴル盟第一次調査 2010年8月、西ウジュムチン旗(ジリンゴル鎮・バルガルゴル鎮・ホゴトゴル鎮の3つの鎮)において、計23世帯(このうち漢族世帯が3世帯、その他モンゴル族世帯)へ調査を実施した。調査項目は、平面・立面・断面・配置図の実測、設備や材料の把握、住まい方調査、生活消費財調査である。また、牧畜業の変遷、牧草地の分配方法とその理由、バイシンの導入時期や普及状況、住宅流通システム等に関してヒアリングした。また、ジリンゴル鎮ジリンゴルガチャの政府では、ガチャ長より、牧地の分割方法や、ゲルからバイシン導入に至る過程についてヒアリング調査を実施した。 ここで得られた図面や配置図には、1970年代からの日干しレンガ造バイシンが多く含まれており、初期的なバイシン導入の状況を分析することができる。 ◆アラシャ盟第一次調査 2010年9月、アラシャ右旗アラタンオボー鎮において計12世帯(すべてモンゴル族世帯)に対して現地調査を実施した。調査項目は上述と同様である。また、ウーリントヤガチャの政府では、職員より牧地の分割方法、禁牧政策の概要、ゲルからバイシン導入に至る過程等についてヒアリング調査を実施した。 ここで得られた図面には、現在の内モンゴルでは珍しい円形の日干しレンガ造バイシンが含まれており、これはゲルからバイシン導入への過程をよく示す貴重なデータである。
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