2011 Fiscal Year Annual Research Report
協働と省察による校内教員研修が教師の授業力と学習者の学力向上に及ぼす影響
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22300283
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
南部 昌敏 上越教育大学, 大学院・学校教育研究科, 教授 (90143627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦野 弘 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (50185089)
三橋 功一 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (40166062)
小林 稔 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (70336353)
井上 久祥 上越教育大学, 准教授 (30274278)
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Keywords | 教師教育 / 教員研修 / 校内研修 / 授業力向上 / 学力向上 |
Research Abstract |
1.東京都の小学校を対象に、昨年度から取り組んできた国語、算数、英語の教科を対象とした協働と省察による授業実践研究とワークショップ型教員研修を継続し、教師の授業力向上と児童の学力の向上の取り組みを行い、その成果を2月16日に公開した。2.沖縄県の小・中学校12校の教員を対象に、それぞれの学校の全教員(214名)が学校単位で参加した、新しい形のワークショップ方式集合型教員研修を実施するとともに、参加校のうち、小学校2校と小中連携校において授業実践研究とワークショップ型教員研修を継続実施し、教師の授業力向上を図った。3.北海道内の学校現場を支援している北海道教育大学の教員、道立教育研究所、道市町村教育委員会指導主事、小中高等学校教員を対象に開催された、北海道地域教育連携フォーラム・北海道の子どもの学力向上を応援するプロジェクト事業「子どもがより良く育つ学校づくり」において、本プロジェクトの成果と荒川区及び沖縄での実践事例を紹介するとともに、ワークショップ研修会をコーディネートし、普及啓蒙を図った。4.平成23年度に開発した、児童観察・配慮、授業づくりの工夫、授業規律、教材研究、自己成長の5因子で構成された「授業実践力に関する自己チェックシート」を用いて、沖縄及び東京における実践協力校において、一人ひとりの教師が自分の授業力を確認するための自己評価を実施し、研修の効果を確認した。5.なお、平成23年11月26日~12月5日の日程で海外における教員研修調査として、ドイツイエナ及びオランダハーグにて調査を行い、州の公の教育機関において教員研修のプログラムと教室で使える教材が準備され、教員が研修専門のスタッフが常駐している研修機関に出向いて研修を受けたり、研修機関のスタッフが学校に出向いて研修を受けていることが判明した。6.上記の取り組みの成果を、日本教育工学会第27回全国大会、第18回日本メディア教育学会年次大会、日本教育実践学会第14回研究大会で発表した。また、研究の成果を、秋田大学教育文化学部教育実践研究紀要第33巻、京都教育大学紀要120に論文として採録された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は、計画通り推進した。平成24年度は、実践地域及び協力校の変更、新規の実践地域への広がり、効果を測定するための質的分析法の新規導入、Web版協同学習支援システムと協同思考支援システムとを統合したワークショップ研修の試み等、研究推進方法に当初と異なる試みを進める計画であるが、当初目的の達成に向けて、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
1.本プロジェクトの最終年度である平成24年度では、校内教員研修標準モデル(最終版)と教師の授業力の評価規準(最終版)を策定するとともに、北海道内等の新規に依頼した協力校に提供し、その普及可能性を検討する。2.校内教員研修共有サーバシステムの動作環境を改訂し、メーリングリスト、掲示板等を用いて関係者間での情報共有と連絡が徹底できるようにする。3.教師の授業力の向上と児童生徒の学力の向上への影響に関して、量的分析に加えて、質的分析も行う。4.2年間、3年間と継続して取り組んだ協力校の実態と1年間継続取り組んだ協力校の実態を比較検討し、継続することの意義を明らかにする。5.上越教育大学において開発したWeb版協同学習支援システムと協同思考支援システムを用いたワークショップを実施し、その利用可能性を検討する。6.カークバトリックの研修達成度に関する視点を用いて調査する。7.国内の関連学会に加えて、新規に、国際授業研究学会((WALS2012)発表する。8.研究成果報告書を作成し、関係者に配付する。
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Research Products
(7 results)