2010 Fiscal Year Annual Research Report
学習コミュニティ形成のダイナミクスと学習効果の実証的研究
Project/Area Number |
22300292
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
山川 修 福井県立大学, 学術教養センター, 教授 (90230325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多川 孝央 九州大学, 情報基盤研究開発センター, 助教 (70304764)
隅谷 孝洋 広島大学, 情報メディア教育研究センター, 准教授 (90231381)
安武 公一 広島大学, 社会科学研究科, 講師 (80263664)
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Keywords | 学習コミュニティ / 複雑ネットワーク / 大学間連携 / SNS / 次数相関 / Fレックス / さとあい |
Research Abstract |
本年度は「CNA,SNAの基本指標によるダイナミクスの理解」を実施した。そのため、福井県内の大学連携(Fレックス)で利用しているSNSのログを利用し、学習コミュニティがどのように発展するかを、複雑ネットワークの指標(ノード数、リンク数、クラスタ係数、平均パス長、次数相関)を分析した。分析対象は、SNSにおける静的な友人関係だけでなく、動的なプログの応答関係やコミュニティ内での掲示板への応答関係も含めた。その結果、すべてにおいてスモールワールド性およびスケールフリー性が確認された。また次数相関は、静的な友人のネットワークは負であるがゼロに近く、動的なブログやコミュニティ内の対応関係は、より負の値が大きくなっている。これらの結果から、コミュニケーションが、比較的少数の利用者に集中する傾向があることを示している。さらに他の大学連携で利用されているSNS(さとあい)と、この手法を使い比較検討を行った。その結果、友人関係のネットワークが、Fレックスは、さとあいに比べて次数相関が負ではあるが、よりゼロに近い特徴があることが分かった。このことは、さとあいが教員を中心にスター型に参加者を増やし、Fレックスは入学時に全員または希望者を参加させるという、参加形態の違いに由来していると考えられる。また、学習コミュニティ形成の理解を深めるため、シミュレーション研究も実施した。なお、交付申請書に記載した平成22年度の実施予定であった「テキストマイニングによるダイナミクスの理解」は実施が遅れ、平成23年度に着手する。
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