2012 Fiscal Year Annual Research Report
薬用資源の文化財分析法を用いた新規標準化インデックスの探索
Project/Area Number |
22300310
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高橋 京子 大阪大学, 総合学術博物館, 准教授 (00140400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣川 和花 大阪大学, 適塾記念センター, 准教授 (10513096)
東 由子 大阪大学, 薬学研究科(研究院), 招へい研究員 (20512883)
宮久保 圭祐 大阪大学, 総合学術博物館, 准教授 (70263340)
川瀬 雅也 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学科, 教授 (90224782)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 文化財科学 / 薬用資源 / 漢方薬 / 医療文化財 / 品質評価 |
Research Abstract |
本研究では、伝統医療文化に根ざした薬用資源(生薬)品質の国際的標準化を目指し、最新の文化財分析法を用いた新規標準化インデックスの探索を行うことを目標にしている。最終年度は、臨床経験知に裏付けられた医療文化財的博物学資料標本(動物及び化石由来生薬)をインデックスの具現化対象として、微量分析と網羅的解析を組み合わせた科学的手法を用い、代替品開発の基礎検討を行った。 【成果1】日本薬局方(:JP)適合品及び1960~2008年蒐集以前の医療文化財的博物標本医療用竜骨資料(30品目)について、形態学的解析の結果、哺乳類基原の化石骨であると同定できた。破砕された竜骨JP適合品の一部に、化石歯・竜歯が混在することを発見し、竜歯のエナメル質や象牙質の微細構造解析より、基原動物種(ウマ科、サイ科等)を明らかにした。更にエナメル質表面上の鋸歯構造の鑑別から肉食動物由来竜歯の存在を初めて確認した。 【成果2】JP竜骨配合漢方薬(桂枝加竜骨牡蠣湯)において、竜骨由来成分溶出は、無機元素が1/50~1/100、有機成分は検出感度以下のごく微量であった。しかし、メタロミクス及びメタボロミクス解析を用いた網羅的分析結果、竜骨の有無は漢方薬全体の溶出成分プロファイルに影響することを示唆し、その存在意義の一端を明らかにした。 【成果3】動物性生薬「牛黄:ウシ胆石」は希少かつ高価で、偽物や人工品が多く流通する。そこで中国市場品並びに本学所蔵の生薬資料標本を対象として、コヒーレント放射光を用いた非侵襲的測定により牛黄の分光学的特性を検討した。牛黄は年代や種類に関わらず、テラヘルツ領域に明瞭な吸収バンドを持つスペクトルを初めて観測できた。10 - 30 cm-1のスペクトル波形は、天然品と人工牛黄で異なっており、検体を非侵襲的に測定できる本法の医療文化財応用への可能性を示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(17 results)