2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22300324
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
田中 正光 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20291396)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | シグナル伝達 / リン酸化 / 播種 / 集団移動 / 細胞接触阻止 / スキルス胃癌 / 神経膠芽腫 |
Research Abstract |
本申請は、細胞分散型の代表的腫瘍の播種と、細胞集団移動による高分化型癌の転移という二つの進展様式に関る分子・シグナル経路を同定し、治療応用を目指すものである。細胞分散型(播種型)の腫瘍浸潤の解析として、神経膠芽腫の担癌動物から質量分析により同定したチロシンリン酸化蛋白質SKAP2は、WAVE2/Cortactinとの相互作用により神経膠芽腫ではアクチン重合を抑制し、細胞膜を安定化させる事でむしろ腫瘍細胞の浸潤を抑制した。一方、マクロファージではSKAP2は特有のアダプターと相互作用する事で細胞移動を促進する。そこで癌の浸潤・播種における腫瘍随伴マクロファージの機能を調べたところ、SKAP2はマクロファージによるスキルス胃癌細胞の浸潤牽引作用に必須であった。また細胞分散型の代表的な腫瘍であるスキルス胃癌の間質浸潤メカニズムとして、癌関連線維芽細胞や腹膜中皮細胞が癌細胞を牽引する作用を持ち、両者が協調した浸潤様式をとることを観察した。その分子機構として、小分子プロテオグリカンであるAsporinが癌関連線維芽細胞で特異的に発現しており、スキルス胃癌の細胞外基質の主要成分として線維芽細胞、癌細胞双方のRac経路を活性化しているメカニズムを明らかにした。癌の細胞集団移動に関しては、PCP経路に属する分子であるLPPが肺癌やメラノーマ細胞においてN-カドヘリンの分解制御を介して癌細胞の集団形成に関る事を明らかにした。LPPは転写因子のETV5と共役してMT2-MMPの転写・発現を誘導するためN-カドヘリンが切断を受け、N-カドヘリン優位の肺癌細胞の細胞間接着が大きく変化する。その結果、同癌細胞の細胞集団的な血行性転移を制御している事を明らかにしている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)