2012 Fiscal Year Annual Research Report
南極ヘイズ:その出現状況と鉛直分布、低中緯度からの物質輸送
Project/Area Number |
22310013
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
原 圭一郎 福岡大学, 理学部, 助教 (10390593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 政彦 福岡大学, 理学部, 教授 (50228590)
塩原 匡貴 国立極地研究所, 気水圏, 准教授 (60291887)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | エアロゾル / 南極ヘイズ / 南極 / 物質循環 / 海塩成分 / 長距離輸送 |
Research Abstract |
H.24年度は、(1)南極ヘイズ出現時のエアロゾルの鉛直分布とその変化:地上と上空の同時観測、(2)南極昭和基地での黒色炭素濃度観測と解析の継続、(3)ヘイズの鉛直構造観測と上空での南極ヘイズ発生状況の解析、(4)学術論文の準備を実施した。 昭和基地に持ち込んだ気球搭載型エアロゾルゾンデを用い、地上付近で南極ヘイズ出現時に昭和基地上空のエアロゾル鉛直分布観測を、2012年8月14日、2012年9月6日に実施した。MPL(マイクロパルスライダー)による観測は継続されており、地上のエアロゾル観測・MPL観測・エアロゾルゾンデ観測の同期観測に成功した。 52次南極地域観測隊で再開させた黒色炭素濃度連続観測を昭和基地で継続している。また、黒色炭素濃度データ解析を実施し、ヘイズ現象時の黒色濃度の変化を抽出した。 2012年に成功した地上・上空の同期観測結果について、直ちに解析を開始し、上空のエアロゾル変化を明らかにした。また、過去の昭和基地上空の南極ヘイズ出現状況とその頻度を検証するために、MPLの解析方法を行った。 これまでに終えた解析結果を基に、(1)南極昭和基地で観測された南極ヘイズの鉛直構造とその時間変化(2012年の事例について)、(2)過去の南極ヘイズ出現状況とその変化について、学会発表と学術論文の準備を始めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度までは、昭和基地に持ち込んだ気球搭載型エアロゾルゾンデの器トラブルにより、昭和基地上空のエアロゾル観測が行えなかったため、遅れが生じていたが、本年度は、2012年8, 9月に2度の同期観測に成功した。その後の解析も順調なため、概ね当初の研究計画通りに遂行できている。
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Strategy for Future Research Activity |
昭和基地でのエアロゾル連続観測の継続と最新のエアロゾルデータの解析を継続する。2013年6-9月の期間に、南極ヘイズ出現時にエアロゾルゾンデを使用したエアロゾルの鉛直分布観測を予定している。地上及び上空でのヘイズ現象の抽出をした年については、エアロゾルとガスデータの相互比較を継続するだけではなく、モデル・トラジェクトリーとの比較により、出現時期、輸送経路の考察を行う。解析が進んだ部分については、随時、学会発表及び論文発表の準備を進める。
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Research Products
(9 results)