2012 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子発現プロファイルに基づく植物のストレス診断と水稲葉枯症の原因究明
Project/Area Number |
22310025
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
佐治 光 独立行政法人国立環境研究所, 生物・生態系環境研究センター, 上級主席研究員 (00178683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 英幸 独立行政法人国立環境研究所, 地域環境研究センター, 主席研究員 (80132851)
菊池 尚志 独立行政法人農業生物資源研究所, 植物ゲノムユニット, 上級研究員 (90370650)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 環境影響評価 / イネ / 遺伝子発現 / 霧 / 酸化的ストレス / 酸性霧 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
長崎県高標高地域で、葉枯症を発症しない心野地区の水田よりイネの健全葉を、また発症する里美地区及び草の尾地区の水田よりイネの健全葉と障害葉を採取し、RNAを抽出して、マイクロアレイによる遺伝子発現解析を行った。その結果、葉枯症を発症しない地区から採取したイネと比べ、葉枯症を発症する地区から採取したイネでは特徴的な遺伝子発現の違いが観察され、その違いの程度は健全葉よりも障害葉でより大きい傾向があった。たとえば植物ホルモンや活性酸素等のシグナル合成系の遺伝子発現が抑制されており、酸性霧処理による場合と反対方向に制御されており、これまでに報告されているストレス条件下とは異なる生理状態にあることが示唆された。以上の結果から、遺伝子発現の観点からは、本研究で解析した酸性霧やオゾン等のストレスの単因子のみによって葉枯症が誘導されることは説明し難い。 一方、環境制御室を用いた実験から、酸性霧の2週間処理後に強光処理およびオゾン処理を2週間行った水稲葉には、葉枯症類似の可視傷害が発現することが実験的に確かめられており、葉枯症発症の機作は単純ではない。複合的な環境制御実験や葉枯症発症現地における生理生化学的解析や遺伝子発現計測の継時的な比較解析によって、葉枯症発症の原因を明らかにしていく必要があると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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