2011 Fiscal Year Annual Research Report
アークジェットプラズマを用いたカーボンナノチューブの形成メカニズムの解明
Project/Area Number |
22310071
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
平松 美根男 名城大学, 理工学部, 教授 (50199098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 義則 名城大学, 理工学部, 教授 (30076591)
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Keywords | カーボンナノチューブ / アークプラズマ / プラズマ診断 / ラジカル密度 |
Research Abstract |
単層や2層のカーボンナノチューブを高速に作製できるアークプラズマジェット法は、その結晶性の良さと生成効率.の高さが注目されている。産業応用には、さらなる高速大量作製法の実現が望まれているが、プラズマ中の重要活性種や温度等に関して定量的な計測例はなく、気相合成中の成長メカニズムもほとんど明らかになっていない。本研究では、プラズマ中のラジカル密度計測法をはじめとするプラズマ診断法を、アークプラズマジェット法に適用することで、単層ならびに2層カーボンナノチューブの高速成長メカニズムを解明し、さらに大量作製する手法を確立することを目的とする。 平成23年度においては、カーボンナノチューブ合成用アークプラズマおよびその周辺での粒子密度と温度分布の情報を得るために、発光分光診断を実施した。Ni-Y触媒を用いた単層カーボンナノチューブ合成中アークプラズマの発光分光法から、C2ラジカルのスワンバンドに着目し、振動回転スペクトルの分布や強度と単層カーボンナノチューブの結晶性や収率との関連について知見を得た。510nm付近のΔv=-1シリーズの強度分布から、C2ラジカルの振動温度は4800-6000K程度と見積もられた。アーク電流値の増加に伴い、炭素電極蒸発量は増加し、発光強度から推定されるC2ラジカル密度も増加するが、衝突・緩和が進むため、振動温度は低下した。C2とYの発光強度比とカーボンナノチューブの結晶性(ラマンスペクトルのG/D比)に相関関係が見られた。プラズマ中の触媒金属と炭素源ラジカルの密度比は結晶性の良否に影響を及ぼし、C2とYの発光強度をモニターすることにより、カーボンナノチューブの結晶性の制御が可能であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
縮退四光波混合による絶対密度計測を目標としているが、アークプラズマ法のカーボンナノチューブ高速成長という特徴が災いし、成長した大量のカーボンナノチューブが光路を遮ってしまうためにレーザーを使った計測を困難にしている。
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Strategy for Future Research Activity |
縮退四光波混合による絶対密度計測を目標としているが、アークプラズマ法のカーボンナノチューブ高速成長という特徴が災いし、成長した大量のカーボンナノチューブが光路を遮ってしまうためにレーザーを使った計測を困難にしている。現在,この問題を解決すべく、チャンバーの改良を行っている。加えて、ラジカル密度の時空間分布計測を達成し、高結晶性カーボンナノチューブの高速成長メカニズムを解明する。
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Research Products
(1 results)