Research Abstract |
本研究では,(1)耕種農業と畜産農業が混在する北海道十勝での耕畜連携型農業モデルと,(2)日照時間の長い宮崎での太陽熱利用のハウス暖房による有機野菜栽培モデルの2つの農業ビジネスモデルを取り扱い,多目的評価を行っているが,本年度は(1)の研究に対して,十勝地方での調査を行い,本問題を耕種農業者への便益畜産農業者への便益,耕畜連携型農業を運営する組織の運営,環境への影響の4つの目的を有する多目的問題として定式化し,モニタリングやプロモーションの程度を数段階に変化させることによって,耕畜連携型農業の複数の具体的な代替案を構成し,比較した.この結果をまとめ,第21回多基準意思決定国際会議にて,Multi-criteria evaluation for environment-conscious collective operations between arable and cattle farmersと題した論文を発表し,事例研究に与えられるワイリー賞の最終選考(ベスト3)にまで残った.さらに,論文をJournal of Multi-Criteria Decision Analysisに投稿し,採録に向けて改訂している.一方,(2)の研究に対しては,主要な目的として,農家の満足度,地域農業の振興,環境への影響の3つの目的を取り上げ,第1ステップの評価を実施した,次年度に現地調査を再度行い,論文としてまとめる予定である. さらに,本年度は,多属性効用分析のためのソフトウェアであるMIDASSをWindow7上で稼働できるようにバージョンアップの作業を開始した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要でも記述したように,北海道の耕畜連携型農業モデルに関する研究は,論文としてまとめすでに国際学術雑誌に投稿中であり,宮崎の太陽熱利用のハウス暖房による有機野菜栽培モデルに関しても初期段階の定式化が終わり,最終年度に再調査後,論文としてまとめていく予定であるため.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は最終年度であり,予定していた研究をまとめなければならない.北海道の耕畜連携型農業モデルに関する研究は今後改訂の必要があるかもしれないが,概ね研究をまとめ上げたと考えている.宮崎の太陽熱利用のハウス暖房による有機野菜栽培モデルに関する研究は,再調査後,論文としてまとめる予定である.また,多属性効用分析のためのソフトウェアであるMIDASSをWindow7上で稼働できるようにバージョンアップを完了させ,いくつかの機能を追加する予定である.
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