2010 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯アジア域の沿岸豪雨強風帯:スマトラ島西岸に災害をもたらすメソ気象の発生機構
Project/Area Number |
22310115
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
森 修一 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境変動領域, チームリーダー (00344309)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋口 浩之 京都大学, 生存圏研究所, 准教授 (90293943)
伍 培明 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境変動領域, 主任研究員 (00360751)
服部 美紀 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境変動領域, ポストドクトラル研究員 (50533519)
荻野 慎也 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境変動領域, 主任研究員 (80324937)
山中 大学 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境変動領域, 上席研究員 (30183982)
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Keywords | 熱帯降雨システム / 沿岸豪雨 / レーダー気象学 / 無人航空機 / インドネシア / 海大陸気候 |
Research Abstract |
1. 沿岸豪雨強風帯の気候学的解析開始:TRMM衛星10年観測およびスマトラ島西岸に設置されているドップラーレーダー3年観測を中心として,(亜)熱帯アジアモンスーン域における沿岸豪雨強風帯の気候学的解析を開始した.先行研究結果を念頭に,本研究における沿岸豪雨強風帯の定義,大規模環境場,気候学的平均像を確立した上で,日変化/季節内変動/季節変化/年々変動の抽出を行い,次年度以降の研究基礎データを整備した.特にスマトラ島南西沿岸およびカリマンタン(ボルネオ)島北西岸における各沿岸豪雨帯に関して,衛星観測データを基に沿岸豪雨帯の特性をENSOのエルニーニョ期/ラニーニャ期およびIODポジティブ期/ネガティブ期の別,さらに各々の雨季/乾季の別に気候学特性を示した.この中で,例えば雨季のカリマンタン(ボルネオ)沿岸豪雨帯はエルニーニョ(ラニーニャ)期に活発(不活発)になる,雨季のスマトラ島沿岸豪雨帯はIODポジティブ期にも北部の降水量は変化せず,IODネガティブ期には特に南部の降水量増加が激しい,等の新しい知見を得た. 2. 集中観測準備および事前調整:無人機(UAV)ゾンデ飛行観測に関する技術検討,気象センサ開発,製作メーカー調整,標準機体の導入,およびインドネシア航空当局/空軍調整(飛行許可取得等)を実施した.また,UAV製作会社技術者と協同し,豪雨強風など様々な気象環境下における最適飛行観測パターンの検討を行った.さらに,機材不良による不時着水等を想定した観測飛行失敗シミュレーションを実施し,機体リカバリー方法や再飛行の実施検討など,万全の支援体制を準備した.また,並行して実施するマルチパラメータ(MP)レーダー観測の設置点調査を行い,スマトラ島沖の属島であるシポラ島に最適観測地点を確保した.これによりスマトラ沿岸豪雨帯を東西両側のレーダー網で捉えることができる観測体制が確立した.
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Research Products
(2 results)