2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞分化過程の解明のための遺伝子ネットワーク解析技術の開発
Project/Area Number |
22310125
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松田 秀雄 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (50183950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 要一 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (00324830)
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Keywords | 遺伝子ネットワーク / ベイジアンネットワーク / 遺伝子発現解析 / バイオインフォマティクス |
Research Abstract |
本研究では、細胞分化の過程での遺伝子ネットワークの構造変化とそれを制御する遺伝子を検出することで、細胞分化過程での分化能の消失が生じる時期を推定し、細胞分化の機構、さらには体細胞のリプログラミングを説明できる数理モデルを作成することを研究目的としている。 平成22年度に実施した研究内容は次の通りである。 1. ネットワークモチーフ探索による遺伝子ネットワーク構造変化時期の推定 細胞分化の各時期での遺伝子ごとの発現量の変化を適当な時間間隔で求め、各時間間隔で遺伝子間に現れる典型的な制御関係の組合せであるネットワークモチーフを探索し、各時間隔遺で見つかるモチーフの時間間隔ごとの違いを調べることで、遺伝子ネットワークに大きな構造変化が生じている可能性のある時期を推定した。さらに、複数の細胞分化の遺伝子ネットワークを推定し、それらに共通して出現するクロストーク遺伝子を求める手法を開発した。 2. 動的シードベイジアンネットワークによる遺伝子ネットワーク推定 時系列データ間での因果関係を統計的に求める手法である動的ベイジアンネットワーク法をベーズに、1.で求めた遺伝子ネットワークの構造変化が起きる前後における、遺伝子間の制御関係の時間変化を求める方法を開発した。細胞分化では、遺伝子の発現量は分化の進行に伴って単調に増減するのではなく、複雑に変動していることから、このような複雑な量的変化を取り扱えるS-systemを遺伝子ネットワークのモデルとして使用した。この方法を、大腸がんの進行度合い(ステージ)ごとの遺伝子発現量の解析に適用し、ステージごとの予後を予測する手法を開発した。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Gene expression profile prospectively predicts peritoneal relapse after curative surgery of gastric cancer2010
Author(s)
A.Takeno, I.Takemasa, S.Seno, M.Yamasaki, M.Motoori, H.Miyata, K.Nakajima, S.Takiguchi, Y.Fujiwara, T.Nishida, T.Okayama, K.Matsubara, Y.Takenaka, H.Matsuda, M.Monden, M.Mori, Y.Doki
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Journal Title
Annals of Surgical Oncology
Volume: Vol.17
Pages: 1033-1042
Peer Reviewed
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