2011 Fiscal Year Annual Research Report
メレオロジーとオントロジー――歴史的分析と現代的探究
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22320008
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松田 毅 神戸大学, 人文学研究科, 教授 (70222304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 康雄 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (60237477)
加藤 雅人 関西大学, 外国語学部, 教授 (90185869)
長坂 一郎 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (10314501)
茶谷 直人 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (00379330)
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Keywords | 存在論 / オントロジー / メレオロジー / ライプニッツ / アリストテレス / 中世メレオロジー / 分析哲学 / アレグザンダー |
Research Abstract |
今年度は、各分担者が予定通り、研究を遂行し、活発に成果を発表した。また、国内学会とも協力し、海外の研究者を招聘したワークショップMOWを開催し、活発な議論を行った。各自の状況を以下に簡潔に述べる。 茶谷は、アリストテレスの魂部分論の主題テクストである「デ・アニマ」について、心身論の解釈論争の検討を中心として解明を進め、さらに、その知見を踏まえつつ、倫理学の文脈(友愛論、幸福諭)で導入される魂部分についても検討した。 加藤は中世哲学の文脈における、「統合的全体」(totum integrale)、「普遍的全体」(totumu universale)、「能力的全体」(totum potentiale)、およびそれぞれの部分、という3つのタイプを参照枠として、トマス・アクィナスの「全体-部分」関連テクストを分析した。 松田はライプニッツの形而上学およびフッサールの存在論の研究を行い、内外でその成果を論文あるいは学会発表した。特に、物体、数学的存在そしてモナドの存在論的差異が部分・全体関係の観点から説明されている点、フッサールの相互内在と相互外在の関係に注目し、それぞれをメレオロジーの観点から検討、解明に努めた。 中山は、多元的言語論と四次元メレオロジーの関係についての再検討を行い、この二つの観点の関係に関する研究を行った。特に、多元的営語論の可能性をより広い観点から追究し、国内外の学術会議で発表を行うとともに、その成果の一部を研究論文としてまとめた。 長坂は,現代におけるオントロジーの応用研究について検討し,哲学者による生物の機能の定義(「因果機能」,「起源機能」など)と工学研究者による設計者・使用者の意図を含んだ人工物の機能の定義の間には超えがたいギャップがあることを指摘した
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者、分担者ともに精力的に研究成果を発表するとともに、「メレオロジーとオントロジーワークショップ」において相互に進展度合いを確認し、論議を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
2012年11月に開催予定の第45回日本科学哲学会に研究代表者と分担者で「「心的生命」をめぐるメレオロジーの歴史と現在」というワークショップの開催申し込みを行っている。それを目標に共同研究を収斂させていきたい。
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Research Products
(41 results)