2013 Fiscal Year Annual Research Report
共生の宗教へむけて――政教分離の諸相とイスラーム的視点をめぐる地域文化研究
Project/Area Number |
22320017
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
増田 一夫 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (70209435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊達 聖伸 上智大学, 外国語学部, 准教授 (90550004)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 宗教 / 共生 / ライシテ / 政教分離 / フランス / エジプト / イスラーム / 移民 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、引き続きヨーロッパ(西洋)‐イスラーム間の緊張を中心に研究を続けた。この緊張もしくは対立は必ずしも国際的な次元で見られるものではなく、ヨーロッパ諸国においてはホスト社会と移民との間の緊張や摩擦として現れる。イスラーム(アラブ)諸国では地域の政情不安に伴って、国際的な武装組織による内戦状況、宗派対立による一国内での市民間の衝突が起こっている。課題の性質上、現時点でも進行しつつある多様な状況を踏まえることに配慮しながら分析と理論化を行った。代表者と分担研究者は主にフランスについて研究を進め、国家の対話者となるべきイスラーム側組織を構築する試み、さらにはイスラーム嫌悪が生まれる土壌を考察した。フランス特有のライシテ(脱宗教性)概念の重要性をあらためて確認するなど、所定の目的を達成したと自負している。 海外研究者との交流の一環として、S・フルリー氏(パリ・アメリカ大学)、J・レトゥルノー氏(カナダ・ラヴァル大学)と研究会を行った。科研費の繰越を許されて平成26年度も研究を続けたが、パリの宗教事象学際研究センター(CEIFR)および高等研究実習院(EPHE)といっそう緊密な協力関係を結び、前者とは『宗教事象事典』(フランス大学出版会刊、2010年。2016年に改訂版を刊行予定)をめぐって今後も共同作業を行うことになった。フランスにおけるイスラームの対応については、フェミニズムの視点からC・デルフィ氏(フランス国立科学研究センター)、人種主義の視点からE・ファッサン氏(パリ第8大学)の協力が貴重であった。 連携研究者では、とりわけ長沢栄治がエジプト情勢に関する著書、論文を精力的に執筆した。杉田英明はイスラームの信仰全般について、安岡治子は東方教父に関する研究を発表している。 成果の一部は、東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究紀要『ODYSSEUS別冊2』に収録した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(23 results)