2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22320021
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
杉浦 秀一 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 教授 (50196713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北見 諭 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (00298118)
貝澤 哉 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (30247267)
山田 吉二郎 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 特任教授 (40091516)
根村 亮 新潟工科大学, 工学部, 教授 (40242367)
兎内 勇津流 北海道大学, スラブ研究センター, 准教授 (50271672)
下里 俊行 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (80262393)
坂庭 淳史 早稲田大学, 文学学術院, 准教授 (80329044)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ロシア / プラトン / ナデージュヂン / フィラレート / フランク / ブルガーコフ / ゼンコフスキー / トルベツコイ |
Research Abstract |
19世紀前半では、ナデージュヂンの歴史観を分析した結果、彼の宗教哲学的プラトニズムが民族性を世界史の不可欠の契機とみなす歴史哲学へと展開していった道筋を明らかにした。またモスクワ府主教フィラレートと歴代のロシア皇帝との政教関係を分析した結果、府主教と歴代皇帝との間のプライベートな関係を含む相互関係の複雑さを明らかにした。他方、19世紀末以降では、E.トルベツコイの『プラトン論』を分析した結果、彼のソロヴィヨフ哲学への心酔と批判、プラトン哲学に対する共感と反感、法哲学者としての自分の基本的立場が交差した複雑な思想的背景を明らかにした。さらにシペート『解釈学とその諸問題』を分析した結果、そこでの意味・表現・理解の諸概念をイデアの個別的受肉化というロシア特有のプラトニズム的モチーフによって解釈できることを明らかにした。またフランクの『知識の対象』を分析した結果、彼も他の同時代の思想家たちと同じく根源的な世界を生成態であると同時に超時間的に秩序化されたコスモスとして描こうとしたことを明らかにした。同じくブルガーコフの『経済哲学』を分析した結果、「人格」概念の起源をマテリアに求めるという彼の正統派キリスト教と相容れない側面を摘出した。さらに亡命思想家・ロシア正教聖職者のゼンコフスキーの『キリスト教哲学の基礎』を分析した結果、彼の連続創造説、歴史的存在論を析出し、彼が存在論に立脚してソロヴィヨフ的な全一哲学やソフィア論を拒否した理路を解明した。 総じていえば、19世紀前半から20世紀初頭にいたるまでのロシアの宗教哲学的志向をもった思想家たちのテクストを分析することにより、そこでにおける明白なプラトニズム的モチーフの様々な類型と共通性を析出することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)