2010 Fiscal Year Annual Research Report
生命統治時代の〈オイコス〉再考とポスト・グローバル世界像の研究
Project/Area Number |
22320022
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
西谷 修 東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究院, 教授 (20189286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 智香子 東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究院, 教授 (10274680)
土佐 弘之 神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (70180148)
崎山 政毅 立命館大学, 文学部, 教授 (80252500)
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Keywords | 社会的共通資本 / グローバル・インバランス / ポストグローバルクライシス / アイスランド / 宇沢弘文 / 金子勝 / 金融危機 / 経済戦争 |
Research Abstract |
本年度は、メンバーを中心とした公開の研究会を数回と一般向けのシンポジウムを二回行った。研究会は、中山著の『経済戦争の理論』(勁草書房、2010年)について西谷、土佐がコメントして議論を行った第一回(7月)、西谷を中心とするドグマ人類学関連テーマの第二回(8月)、アイケングリーン『グローバル・インバランス』の訳者を招へいした第三回(9月)であり、いずれもグローバル世界の経済的次元の問題を多角的に考察する充実した議論を行うことができた。 一方、シンポジウムの一つは10月半ばに行った「宇沢弘文と語る」である。社会的共通資本の概念を軸に、ポスト冷戦期を見据えたローマ法王との対話のこと、アメリカの新自由主義的潮流への批判的視点などを示した講演には300人あまりの参加者があった。また、事前には金子勝氏に宇沢弘文氏の仕事についてインタヴューしてその記録動画を配信、当日は学生アルバイトの手を借りてユーストリームの動画配信、ツイッターによるコメント受付を行うなど現代的な手法も駆使して成果の社会的還元を試み、成果を上げることができた。 二つ目のシンポジウム「君はオーロラを見たか」(2011年3月6日)は、アイスランドの金融危機をとらえ、ポストグローバルクライシスを考えるドキュメンタリー映画「溶けてしまった氷の国は…」(原題"Maybe I Should Have")を、監督を招へいして上映し、これに関する議論を行ったものである。折しもウィキリークスが情報のリークと公開の問題を提示していた時期であり、この問題とアイスランド、メディアとのかかわりを論じる専門家にも登壇を依頼した。200人を超える参加者があり積極的な議論を行った。さらに土佐が司会、進行をつとめ、神戸大でも同映画の監督を招へいした上映会を行った。 また以上の活動の企画・調整と研究交流のため、西谷がフランス(6月)、中山がドイツ(5月)とフランス(7月)に海外出張を行った。
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Research Products
(14 results)