2012 Fiscal Year Annual Research Report
観世文庫所蔵能楽関係資料のデジタル・アーカイブを活用した新しい能楽史の構築
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22320047
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松岡 心平 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (70173812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯田 道史 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 准教授 (00375354)
小川 剛生 慶應義塾大学, 文学部, 准教授 (30295117)
高橋 悠介 神奈川県立金沢文庫, 学芸課, 研究員 (40551502)
落合 博志 国文学研究資料館, 研究部, 教授 (50224259)
山中 玲子 法政大学, 能楽研究所, 教授 (60240058)
高桑 いづみ 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 無形文化遺産部, 室長 (60249919)
小林 健二 国文学研究資料館, 研究部, 教授 (70141992)
宮本 圭造 法政大学, 能楽研究所, 准教授 (70360253)
天野 文雄 (財)国際高等研究所, その他部局等, 副所長 (90201293)
横山 太郎 跡見学園女子大学, 文学部, 准教授 (90345075)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 日本文学 / デジタル・アーカイブ |
Research Abstract |
(1)観世文庫の書誌調査:観世文庫所蔵能楽関係資料のデジタル・アーカイブ「観世アーカイブ」を拡充するため、観世文庫において数日間にわたる原本調査を五回にわたって行った(平成24年5月3~5日、7月21日~23日、8月25~27日、11月23~25日、平成25年2月2~4日)。この原本調査により、すでに撮影したデジタル画像に基づいて作成していた資料解題を見直し、新たな書誌情報を加え、その結果を文献データベースに統合した。 (2)観世文庫資料の研究会と、論集の作成:観世文庫での上記の原本調査に合わせ、十五世観世大夫元章を主なテーマとした研究会を行った。この研究会の成果として、元章に関する個別の研究論文に加え、元章に関する小事典や特集コラム、研究資料目録や年譜などの作成を進め、次項『爐雪集』の翻刻と共に、来年度刊行する目処をつけた。 (3)『爐雪集』の翻刻作業:能の詞章の大改革として知られる明和改正謡本の成立過程をうかがわせる謡本『爐雪集』の、書入れや詞章改訂の翻刻作業が一通り完了したが、なお見直し・編集作業に時間を要しており、刊行は来年度を予定している。 (4)「阿古屋松」の復曲と研究成果の展示:観世文庫に世阿弥自筆能本が残る「阿古屋松」の復曲については、以前より研究代表者・松岡心平監修のもと検討を重ねてきたが、平成24年4月27日および同29日に、国立能楽堂で上演することができた(シテ:観世清和。企画公演「世阿弥自筆本による能」最終回)。この上演にあわせ、国立能楽堂資料展示室での観世文庫展では、世阿弥自筆能本「阿古屋松」をはじめ、関連する観世文庫資料を展示し、解説を付して研究成果の一端を公開した。また、平成24年12月27日から翌年1月21日まで、松屋銀座において開催された観世宗家展(観世清和・松岡心平監修)でも、世阿弥自筆伝書をはじめとする観世文庫資料に解説を付して展示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
緻密な確認が必要な翻刻作業などには時間を要しているが、全体的には確実に成果が上がっており、また研究の進展上、問題となる事象も生じていない。
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Strategy for Future Research Activity |
資料一点一点を調査し、書誌を取り、解題を付してデータベースに統合していく作業を継続する一方、最終年度にあわせ、研究成果を論集・資料集として刊行し、シンポジウムなどの形でも公開していく予定である。
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Research Products
(14 results)