2014 Fiscal Year Annual Research Report
文学研究の「持続可能性」―ロマン主義時代における「環境感受性」の動態と現代的意義
Project/Area Number |
22320061
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
西山 清 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (00140096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植月 恵一郎 日本大学, 芸術学部, 教授 (10213373)
川津 雅江 名古屋経済大学, 法学部, 教授 (30278387)
吉川 朗子 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (60316031)
小口 一郎 大阪大学, 言語文化研究科(研究院), 准教授 (70205368)
金津 和美 同志社大学, 文学部, 准教授 (90367962)
大石 和欣 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (50348380)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ロマン主義 / エコロジー / エコクリティシズム / 環境感受性 / 動物愛護 / 環境倫理 / 文学観光 / 持続可能性 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究最終年度となった平成26年度は、過去4年間の実績のレビューをもとに、4つのトピックを集中研究項目に設定し研究を進め、最終的に報告書の形で成果をとりまとめた。研究グループの中核メンバーは、今後この成果をさらに発展させ、ロマン主義のエコロジーをテーマとした研究書を刊行する予定である。 【集中研究項目1. 動物愛護、食育、生命体論】18世紀の詩における動物表象、日本文学との比較研究、ロマン主義時代の肉食と教育、ロマン主義哲学における動物と人間の存在論的位置づけについて考察し、動物への感受性を多角的に研究した。 【集中研究項目2. 持続可能性と環境倫理】文明の持続不可能性を人口論の面から提起したトマス・マルサスの思想を分析し、そこにロマン主義思想に通底する環境倫理の芽生えを読み取った。さらに現代の環境芸術や環境文学が、ロマン主義の環境倫理と環境感受性を展開させていることを作品分析によって明らかにした。 【集中研究項目3. マスカルチャーと環境感受性】ロマン主義の環境感受性が「庭」という場を通して19世紀の旅行者や一般読者に受け継がれていった様子をさぐり、さらに20世紀の文学にも継承されていることを解明した。 【集中研究項目4. 郊外の環境的治癒力】18世紀から19世紀にかけての都市生活の変質、それと相克して展開した自然環境へのまなざしの変容のなかから芽生えた新たな環境感受性を文化テクストの中に捕捉した。 【研究報告書、研究書の発行】上記項目にかかわる研究成果を中心に、研究代表者、分担者、協力者、および当研究が主催したセミナーやシンポジウムの講師等の知見をとりまとめ、過去5年間の研究実績を包括した研究報告書(A4版2段組全255ページ)を発行した。また、当研究の成果を発展させた研究書『ロマン主義エコロジーの詩学―環境感受性の芽生えと展開』を2015年度内出版の予定で、現在鋭意準備中である。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(18 results)