2010 Fiscal Year Annual Research Report
近世日本の大衆文化における「日本」意識の表現-17・18世紀を中心に-
Project/Area Number |
22320071
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
田中 優子 法政大学, 社会学部, 教授 (40139390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 ふみ子 法政大学, キャリアデザイン学部, 准教授 (00386335)
横山 泰子 法政大学, 工学部, 教授 (60318607)
小秋元 段 法政大学, 文学部, 教授 (30281554)
大木 康 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (70185213)
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Keywords | 日本 / 意識 / アイデンティティ / 17・18世紀 / 大衆文化 / 表現 / 東アジア / アジア諸国 |
Research Abstract |
1、今年度は研究代表者・分担者が、今まで研究してきた研究領域のなかで日本意識の表現にあたるものを抽出しながら、発表や執筆をおこなった。 2、7月には、法政大学国際日本学研究所戦略的研究基盤形成支援事業「国際日本学の方法に基づく<日本意識>の再検討」の中のアプローチ(1)「<日本意識>の変遷」メンバーと、「合同キックオフミーティング」をおこなった。メンバーは一部重複している。しかしこのアプローチは古代から現代を含む変遷の研究であり、本研究はそれとは異なる「17・18世紀1に限定した「大衆文化」における「表現」の研究である。その区別をしつつも、データベース作成で協力してゆくこと、研究成果を互いに公表し合うことが合意された。主に本研究は岩波思想大系の中の17・18世紀のテキストのスキャニングとデータ化を分担すること、岩波日本古典文学大系、噺本大系、万句合(川柳)を利用した研究を進めることを決めた。現在、ポストドクターの学生と大学院生による作業が進んでいる。 3、フルテキストデータベースを共有することにより国際日本学インスティテュートの大学院生が専門領域の検索を試すようになり、すでに李知蓮「日韓比較文化論-<義理>と<人情>に対した認識の相違を知ることで見えるもの」や、川崎瑛子「平賀源内と世界」「平賀源内と日本」「平賀源内と国家」などのレポートが出ている。このように、研究が同時に教育である現場が作られてきた。この成果は今後、博士論文に反映してゆく。 4、特に17・18世紀大衆文化は中国文化との比較研究が重要である。今年度は大木、田中が参加した「座談会東アジアの遊女・遊郭から西鶴の性愛を考え直す」や、大木沖国と日本の出版文化」、アジア諸地域と江戸の比較文化論である田中『布のちから』などの著書・論文が出たが、来年度はさらに、留学生とともにアジアと日本を軸にした成果を出すつもりである.
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Research Products
(15 results)