2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22320082
|
Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
筧 一彦 中京大学, 情報理工学部, 教授 (90262930)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広瀬 友紀 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (50322095)
渡辺 眞澄 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (60285971)
|
Keywords | 文理解過程 / 予測的処理 / 状況下の理解 / VWP法 / PWI法 / プライミング / 眼球運動 / 動詞活用形 |
Research Abstract |
統語的に多義性のある言語材料として左右枝分かれ構造を対象に眼球運動計測実験を行った。具体的には、先行刺激による、いずれかの構造へのプライミングの有無および、韻律情報(第一要素および第二要素におけるピッチ幅の拡大の有無)を操作し、これらの相互作用のあり方を検討した。H22年度に行った実験においては、プライミング効果が独立して観察されたが、韻律情報の影響との関わりについては明確な知見が得られたとは言い難いが、現時点での結果を国際学会(CUNY Conference on Human Sentence Processing)におけるポスター発表にて報告した。 今後に予定している動詞活用実験による理解過程実験のために、日本語の動詞データベースを以下の手順により作成した。(1)約7~8万語を網羅したNTTデータベースから全動詞約5千語を抽出した。(2)古語、方言、統語的複合動詞(歩き始めるなど)、「がる」の付く「痛がる」などの動詞を除外した。(3)表記が異なる動詞(会う、逢う)、送り仮名の異なる動詞(行う、行なう)については同一の語とした。(4)語末拍子音と直前の母音によりI類動詞を抽出した。ただし子音が/r/で母音が/i, e/の動詞については、視察によりI類か、II類に分類した。(5)各動詞にアクセント型、単語属性(親密度、頻度、心象性など)の情報を付加した。その結果7割近くがI類、残り3割がII類動詞であった。このデータベースを用いることにより動詞の活用に関する心内処理過程を明らかにすることが可能となった。 被験者の眼球運動を自然な形で測定できる装置(Tobii)を導入し、拡張PWI法を確立するための予備実験を開始した。
|
Research Products
(4 results)