Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 勇 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (50215711)
沼本 克明 安田女子大学, 文学部, 教授 (40033500)
月本 雅幸 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (60143137)
鈴木 恵 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (60163010)
原 卓志 鳴門教育大学, 大学院・学校教育研究科, 教授 (00173063)
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Research Abstract |
醍醐寺蔵宋版一切経6,104帖に書き入れられた角筆文字・符号等の情報を加えた目録出版を期し,その精査を基に,日本に伝来した宋版一切経の角筆点の発掘と東アジア言語文化の交流と影響関係を考察することを目的とする本研究の三年計画の第一年次として,次の調査・作業等を実施して,以下のような成果を得た。1.醍醐寺蔵宋版一切経の第二次第一回の精査を,代表者と分担者・連携研究者が平成22年6月1日から6月4日までの4日間,醍醐寺において行い,計89函944帖を点検調査し,新たに92帖に角筆書入れが認められた。次いで第二次第二回の精査を,代表者と分担者・連携研究者が平成22年8月17日から21日までの5日間,醍醐寺において行い,計116函1,187帖を点検調査し,新たに80帖に角筆書入れが認められた。この調査と併行して,各函に一帖ずつ収められている音義の全巻撮影を行い,第一回で200帖,第二回で250帖を終え,醍醐寺の協力により,604函までの音義の全巻撮影を終えた。2.醍醐寺蔵宋版一切経の第一次(平成19~21年)と今回の第二次第一回・第二回の成果を踏まえて,醍醐寺において2010年秋期特別展「宋版一切経の世界」が,平成22年9月18日から12月5日まで開催され,全604函と共に宋版の主要な帖50余帖が展示された。特に宋版に書き入れられた中国の角筆点を特殊なライトを点灯して初めて展示した。この陳列や解説執筆に代表者と分担者・連携研究者が協力した。又展示中に代表者が記念講演を行った。3.神奈川県立金沢文庫における称名寺宋版一切経の角筆調査を,代表者と連携研究者が,平成22年11月27日・28日に金沢文庫に出張して行い,約3,500帖のうちの5函計205帖を調べ,宗鏡録など計51帖に角筆の文法機能点・梵唄譜・合符等の書入れを見出し,醍醐寺宋版一切経の角筆点と同じ中国の加点であることが知られた。
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