Research Abstract |
(目標) 本プロジェクトでは,アジア圏英語学習者の統制英作文を収集した世界最大級の英語学習者コーパス(lnternational Corpus Network of Asian Learners of English: ICNALE)を構築し,言語教育学・英語学・日本語学・心理言語学・統計学をはじめとする関連分野の知見を統合しつつ,アジア圏英語学習者の中間言藷使用特性を多角的に分析・解明することを目標としています。 (23年度の進捗) 1)年度末時点で,英米12万,日本24万語,タイ18万語,中国19万語,パキスタン9万語,台湾9万語,香港5万語,インドネシア9万語,韓国13万語のデータ収集が完了しました。コーパスサイズは約120万語となり,Brown Corpus等の既存母語話者コーパスと比肩するサイズに達し,公開されている統制学習者コーパスとして最大級の規模となりました。 2)上記データの検索のために開発したICNALE Online Interfaceの検索アルゴリズムに修正を加え(n'tなどの縮約処理修正等),日本以外のデータについても習熟度別検索を可能にしました。 3)新規に,学習者自身の修訂文,および,専門家による校正文のデータを収集し,アドオンモジュールとして公開しました。 4)日本人英語学習者の中間言語運用の実態を探るため,語彙処理過程に関する心理言語学的実験を実施しました。 5)プロジェクトに関連して,年度内に,共著書1冊,論文3本(うち査読つき2本)を公刊しました。また,韓国・ベルギー・タイ・アラブ首長国連邦・オランダを含め,内外の学会で17本の関連発表・講演を行いました(うち招待講演6本)。 (23年度事業の意義) 1)世界最大級の学習者コーパスの開発・公開 2)開発したコーパスおよび同コーパスを用いた研究の内外への発信
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
開発するコーパスが当初予定していた100万語に達したことに加え,アジア圏の多様な英語のあり方を多角的に分析・検証するため,学習者による修訂,母語話者の専門家による修訂事例を集めたアドオンモジュールが開発・公開されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度においては,(1)収集済みデータのバグフィックス,(2)海外データの習熟度別分類とデータの再実装,(3)データの追加収集,(4)コーパスの仕様の確定,(5)国際シンポジウム開催などを行い,構築されたコーパスの普及と,同コーパスを用いた研究成果の体系化と記録を行うことを主たる目標とする。
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