2012 Fiscal Year Annual Research Report
創造と再生が可能な社会と国家の形成―社会保障・環境保全における契約法理を中心に
Project/Area Number |
22330010
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
紙野 健二 名古屋大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (10126849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下山 憲治 名古屋大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (00261719)
大沢 光 青山学院大学, 法学部, 准教授 (00303579)
豊島 明子 南山大学, 法務研究科, 教授 (10293680)
山田 健吾 広島修道大学, 法務研究科, 教授 (10314907)
前田 定孝 三重大学, 人文学部, 准教授 (10447857)
大河内 美紀 名古屋大学, 法政国際教育協力研究センター, 准教授 (20345838)
高田 清恵 琉球大学, 法文学部, 教授 (30305180)
林 秀弥 名古屋大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (30364037)
藤枝 律子 三重短期大学, 法経科, 講師 (30611123)
市橋 克哉 名古屋大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (40159843)
高橋 祐介 名古屋大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (50304291)
稲葉 一将 名古屋大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (50334991)
岡本 裕樹 名古屋大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (90372523)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 公法学 / 行政法学 / 契約 / 社会の創造 / 国家の再生 / 社会保障 / 環境保全 |
Research Abstract |
本研究は、今日の社会および国家の諸活動の中に、法的な「創造」と「再生」に向けた取り組みを摘出し、それぞれにおける「契約」の規範的表現に着目して、複数の法領域に即して、その意味や位置づけを論じ、方向性の共有を見出そうとする問題意識に発し、研究実施計画そって研究を進めてきた。その到達点を概括すると、次のようなものになる。 (1)憲法における私人間関係論や、行政法学における行政契約の位置づけを見ても明らかなように、公権力を直接扱う公法学においては、法関係を規律する形式としての契約は、当初からむしろ異質なもの、あるいは公法原理からの逸脱物として扱われてきた。(2)しかし、グローバル市場の形成と展開を契機として、多様な効用をもつ財や役務の交換が商品の売買へと転化し、これへの反作用として社会における非商品的な交換過程も登場している今日においては、財や役務の交換網の結び目(node)の強化や契約締結主体相互の法関係性の実質化が、財や役務の個別的具体的特徴を適切な配慮のもとに実現されなければならない。たとえば、介護や保育のような社会福祉領域における直接契約の双方性の内容そしてその実現手段の考察がいかに重要であるのかは、最近の法制改革によって、それ以前と比べて紛争の多発化と複雑化を招いていることからも示される。(3)したがって、私法における契約の問題状況との比較を試みつつ、さまざまな局面での価値や法形式の「創造」と「再生」を促進しかつこれを内実化する法原理の形成を展望した「契約する社会あるいは国家」像の形成が展望される。 本来複雑な財や役務の交換過程を権利義務に解消する一面を有する契約に即しての、権利義務の主体と内容、契約締結者以外の第三者の利益の考慮、そして国民と「契約する社会あるいは国家」の観念は、今後、研究分担者らによる成果の公開によって、その具体的内容が明らかとなるであろう。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)