2010 Fiscal Year Annual Research Report
独立後インドの消費変動:農村社会経済構造の長期変動との関連に注目して
Project/Area Number |
22330100
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柳澤 悠 東京大学, 東洋文化研究所, 名誉教授 (20046121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 貴子 大東文化大学, 国際関係学部, 教授 (10307142)
杉本 良男 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 教授 (60148294)
杉本 星子 京都文教大学, 人間学部, 教授 (70298743)
杉本 大三 名城大学, 経済学部, 准教授 (90434620)
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Keywords | 経済史 / 東洋史 / 農村社会 / 社会変動 / 消費 / 経済成長 / 国際研究者交流 / インド |
Research Abstract |
1.パンジャーブ州の都市では、鉄鋼業とメリヤス業の中小企業から聞取り調査をおこなった。さらに、同州の農村2か村で聞取り調査を行い、パンジャーブ州農村部の消費動向全般に関するデータを収集した。また、南インドでは、チェンナイ南部の都市化の拡大にともなう漁村の変化、チェンナイ北部における外国企業工場誘致による周辺農村と織物産地の変化について調査し、中間層の拡大と消費行動の変化および労働移動の範囲拡大に関するデータを収集した。以上の現地調査に加えて、南インド村落調査の収集データをデジタル化した。 2.南インドの現地語雑誌の収集を行った。また、タミル語雑誌"Kumutam" "Ananta vikatam"掲載広告を分析をした。 3.1983年、1993年、2004年に実施された全国標本調査の個票データを使用して、インドの地域ごとの食料消費パターンについて分析を行った。この研究については、より詳細な地域区分を行うことによって分析の精緻化を図っている。 4.これらの調査から、インドの経済発展に関して、地域とくに農村地域の消費の変動が工業発展の重要な基礎となっていることが明らかとなった。「緑の革命」を経た農村地域とその周辺都市における家屋の改築や建設ブームによって鋼材への需要が拡大し、その需要に対して安価・低質な鉄鋼を供給する地域密着型の中小の鉄鋼業が発展している。繊維産業においても、地域需要の拡大に対応して発展した中小企業が積極的に海外進出を図っていることなどの点が、明らかになった。
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Research Products
(19 results)