2012 Fiscal Year Annual Research Report
市場経済形成期における奉公人の系譜:近世労働力市場の日英村落地域比較研究
Project/Area Number |
22330104
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
高橋 基泰 愛媛大学, 法文学部, 教授 (20261480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 良之 山形大学, 大学院教育実践研究科, 教授 (10210072)
山内 太 京都産業大学, 経済学部, 教授 (70271856)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 国際情報交換 / 奉公人 / 日英地域比較 / 近世労働力市場 / 労働組織 / 労働力移動 / 旧上田藩上塩尻 / ケンブリッジ州ウィリンガム教区 |
Research Abstract |
本研究は、近世期日英社会における市場経済形成期労働組織および労働力市場の実態解明のため、地域空間内部の労働力移動ネットワーク論を歴史的実証研究として試みてきた。とくに奉公人の系譜関係について分析を進める中、主要研究対象地である上塩尻村(長野県)の両隣村秋和および下塩尻で、新たに大量の区有文書および私家文書を発見し、系譜関係に沿った近距離労働力移動および労働力市場形成過程に新たな光を照射する史料を得ている。それは同時に、遠距離労働力移動および広域労働力市場の存在も示唆する。他方、英国においては、首都大学東京米山秀教授による研究会報告(「ライフタイム・サーヴァント」『国際比較研究』第9号、2013年3月刊行)で、P・ラズレットの提唱に始まりA・クスマウルによる体系的な研究で流布しているライフ・サイクル・サーヴァントの立論が、実は日本の限られた事例を元に着想され、論拠の意外に薄弱なものであることがわかった。また、主要研究対象地であるウィリンガム教区の属するケンブリッジ州全体の検認遺言書約3万件からなる地域労働力系譜群データにより、親族集団が、1つの村落や教区に限定されず、隣接地域全体で実体として検出可能であり、少なくとも近世期には奉公人の出自として親族関係がより機能し、その分近代とは奉公人「市場」のあり方に差異があることも明らかになっている。その過程での分析結果は、本年度その一部を2つの国際学会European Social Science History Conference(ヨーロッパ社会科学史学会)2012年4月グラスゴー大会、8月ポルトガル・リスボンでの国際会議International Rural Sociology Congress(世界農村社会学会議)ならびに、平成24年度社会経済史学会全国大会にて報告した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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