2013 Fiscal Year Annual Research Report
新興国市場開拓のための日本企業の組織能力に関する研究
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22330120
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
山口 隆英 兵庫県立大学, 経営研究科, 教授 (90272096)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際経営 / 多国籍企業 / 組織能力 / 新興国 / 市場開拓 |
Research Abstract |
2012年度までに、新興国市場で経営実績のある企業をピックアップし、その経営活動について、研究会を開いて、経営当事者に報告してもらうことで、研究のターゲットとなる企業事例についての収集を行ってきた。複数の企業事例を収集してきたが、現地の事情や労働慣行に日本と大きな違いが有り、十分に収集した事例を解釈できない部分が出てきた。2013年年度の研究では、現地の労働慣行、経営活動に大きな影響を及ぼす組合活動などに焦点を当てて、収集事例の中で十分に解釈できなかった部分の理解を深めることを中心に行った。 2013年度の具体的な研究は、ベトナムとインドネシアに絞り、以前に研究会で報告いただいた企業を含め、ベトナム2社とインドネシア2社、加えて、それぞれの国のナショナルセンターとなっている労働組合の連合組織を訪問し、インタビュー調査をこなった。その際の課題は、活発化している労働組合活動が実際の日本企業の経営に、どのような影響を及ぼしているのかということであった。新興国での市場開拓の前に、まず、賃金上昇が起こり、その結果、新興国の市場規模が拡大する。しかし、まず最初のステップとして起こる賃金上昇に対応できなければ、市場開拓もままならない。この賃金上昇に、どのように日本企業が対応して、行こうとしているのかを調査した。 調査結果として言える点は、多くの企業が賃金上昇を経験しているが、そのことによって、市場開拓を諦めている企業は少なかった。賃金上昇分、生産性を向上させる努力を行ったり、生活にかかる費用を下げる努力をすることで、各企業ごとに対応していた。加えて、新興国市場開拓のために、投入された初期のモデルから、一定の利益が期待できる価格の大高い商品への移行を目指す企業も出始めていた。 以上の、現地調査を踏まえて、2月に調査結果について、新興国経営研究会を大阪商業大学の古沢教授の協力のもと開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2012年までに、新興国の状況、及び、新興国で経営に携わる10社以上の事例についてのヒアリングができ、今回、現地調査を行ったことで、最終的な研究報告のために必要なデータを収集できた。このデータに基づいて、研究発表を行い、調査報告書を作成することが本年度の目標であれ、おおむねほ年度中に研究発表を行い、調査報告書を作成できる見通しが立った。
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Strategy for Future Research Activity |
2014年度は、本研究の最終年度であり、研究発表と報告書の作成をメインに進めていきたい。一部、不足している部分については、現地調査の必要性を感じており、この最終調査を加える形で、最終の報告書をまとめていきたい。
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Research Products
(1 results)