2012 Fiscal Year Annual Research Report
地域再生デジタル・ネットワーキングに関する調査研究
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22330152
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
干川 剛史 大妻女子大学, 人間関係学部, 教授 (20243735)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 地域再生 / デジタル・ネットワーキン / 被災地復興 / 地震津波災害 / 火山噴火災害 |
Research Abstract |
平成24年度は、「地域再生連携支援システム」として「一般社団法人 南三陸福興まちづくり機構」のWebページを構築・運用し、東日本大震災の地震津波災害被災地の宮城県南三陸町における「南三陸福興まちづくり機構」を中心とする被災地復興活動と霧島連山新燃岳の火山災害被災地の宮崎県高原町の「灰干しプロジェクト」それぞれの主要メンバー間の情報共有を通じた相互交流・連携の展開過程について参与観察を実施した。 その結果、両被災地の間で「灰干しがつなぐ被災地ネットワーク」と呼びうる被災地復興の中心的人物・団体間の相互協力的関係ができつつあることが明らかになった。しかし、「南三陸福興まちづくり機構」のWebページの管理・運用体制が構築できなかったので、「地域再生連携支援システム」による被災地内外の相互交流・連携を促進することが困難となった。 それと並行して、宮城県気仙沼市本吉地区での応急仮設住宅入居者の生活支援活動に特化した「応急仮設住宅生活支援Webデータベースシステム」を構築・運用し、仮設住宅入居者の生活支援活動の展開過程について参与観察を行ったが、気仙沼市および同市本吉地区において活動する被災者支援団体との協力関係が構築できなかったため、支援活動を中止せざるをえなくなった。 なお、これらのシステムの構築・保守管理は、地域再生のための情報通信システムの構築・保守管理に実績のある「株式会社 ナブラ・ゼロ」に委託して実施した。また、気仙沼市本吉地区での応急仮設住宅入居者の生活支援活動の参与観察に基づく現地調査と応急仮設住宅生活支援Webデータベースシステムの運用を行う際に、現地調査と資料・データの収集・分析を被災地支援と地域再生支援の実績のある「特定非営利活動法人 基盤地図情報活用研究会」に委託した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東日本大震災の地震津波被災地の南三陸町の「福興市」、霧島連山新燃岳火山災害被災地の高原町の「灰干しプロジェクト」、それぞれの情報通信技術を活用した活動の実態と課題が、また、両被災地の間で「灰干しがつなぐ被災地ネットワーク」と呼びうる被災地復興の中心的人物・団体間の相互協力的関係ができつつあることが、参与観察を通じた現地調査によって明らかにすることができたからである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、福興市と灰干しプロジェクトの主要な参加者・参加団体同士が、灰干しづくりを通じて交流を深めて行き、それぞれの被災地が連携し合って復興を進展させていく過程、すなわち、南三陸町と高原町を中心とする被災地域間の「灰干しがつなぐ被災地ネットワーク」の形成・展開過程について参与観察を中心に実態調査を行って明らかにしていく予定である。
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