2013 Fiscal Year Annual Research Report
現代日本人の価値観:古層と伝統的思想(仏教、儒教、神道・国学)の影響
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22330180
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大渕 憲一 東北大学, 文学研究科, 教授 (70116151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 弘夫 東北大学, 文学研究科, 教授 (30125570)
三浦 秀一 東北大学, 文学研究科, 教授 (80190586)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 価値観 / 文化比較 / 社会的葛藤 / 東アジア |
Research Abstract |
昨年度までは、中国、韓国、台湾など東アジア諸国において、伝統的価値観、それに、これが反映されると予想される社会生活の諸領域(就労、結婚、社会的葛藤、階層意識など)との関連を検討するためにを一般市民を対象に社会調査を実施してきた。本年度は、これら東アジア地域とは文化的に異質と考えられるアメリカを調査対象地域とした。また、これとの比較のために日本での調査も実施した。アメリカ及び日本において、20代、30代、40代、50代の一般市民男女それぞれ60名、合計480名、両国合わせて960名を対象にインターネット調査を実施した。 分析は社会的葛藤に対する反応に与える価値観の影響を中心に行った。個人間葛藤と集団間葛藤のエピソードを示し、参加者には被害者の立場で読んでもらい、加害者が謝罪、正当化、否認した場合のそれぞれについて、加害者をどれくらい赦すか評定させたところ、これまで国の内外で行われた研究知見と一致して、参加者たちは謝罪をした加害者をもっともよく赦した。価値観との関連については、まず「人に被害を与えたら謝るべきである」という謝罪規範を取り上げたところ、この価値観が強い人は謝罪をしなかった人に対して厳しい態度を取り、赦そうとしなかった。別の価値観は寛容性規範で、これは「謝罪をした人は赦すべきである」という信念だが、確かに、この価値感の強い人は、加害者に対して寛容で、赦しを与えることが多かった。このように、本研究は、価値観が人々の社会生活や人間関係に実質的に影響を与えていることを示唆するものであった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(39 results)