2012 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトとサルにおける行動伝染と模倣の起源に関する実験的研究
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22330200
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川合 伸幸 名古屋大学, 情報科学研究科, 准教授 (30335062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香田 啓貴 京都大学, 霊長類研究所, 助教 (70418763)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 表情伝染 / 霊長類 / 情動 / 模倣 / サル / 進化 / 共感 / 同調行動 |
Research Abstract |
他者がある行動をしたときに、それを観察しているヒトはつい同じような行動をする。これは「行動伝染」といわれ、ヒトでは頻繁に観察される。ヒト以外の動物でも、チンパンジーや、イヌは、同種あるいは異種(ヒトから)間で「あくび」が伝染するとの報告があるが、「あくび」以外の行動伝染が動物で見られるかは不明である。「あくび」の伝染は、視覚的にはっきりと観察できるが、ヒト以外の動物で「あくび」以外の行動伝染が観察されないのは、潜在的に伝染する行動が顕在化していないだけなのかもしれない。そこで、サルをチェアに固定し、筋電計測に酔って表情伝染が生じるかを検討した。その結果、サルの表情動画を見せたときにさまざまな行動が観察されたが、体動などの大きな筋電も重畳し、明確な結果は得られなかった。今後、独立要素分析(ICA)などを用い、体動ノイズを除去するなどの解析を行い、動画に対応した表情(の筋肉)が活動したかを検討する必要がある。視覚刺激に対しては明確な「行動伝染」が得られなかったので、研究分担者(香田)が別の研究課題として進めていたサルの発声オペラント行動を用いて、聴覚刺激に対する「行動伝染」を調べた。30秒間の試行間間隔(ITI)中に発声すると、さらにITIが30秒間延長されるDRLスケジュールによって、モニタが赤くなってから5秒以内に発声すると強化されるという学習をした2頭のサルに、1セッション50試行のうち3試行をプローブとして視覚手がかりとともに音刺激を提示した。音刺激は、変調の長いクー・コール(Long Coo)と短いクー・コール(Short Coo)、白色雑音であった。その結果、刺激に対して高頻度で発声をしたが、提示された音声と類似した音声を出すという結果は得られなかった。モニタが赤く光るだけでなく、サルが発声している動画を提示すれば、他個体の音声に対応した発声をする可能性も考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)