2013 Fiscal Year Annual Research Report
1950年代における地域文化活動の実証的研究-民衆の自己教育運動の史資料発掘
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22330222
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
大内 裕和 中京大学, 国際教養学部, 教授 (80309707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水溜 真由美 北海道大学, 文学研究科, 准教授 (00344531)
石原 俊 明治学院大学, 社会学部, 准教授 (00419251)
長 志珠絵 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (30271399)
黒川 みどり 静岡大学, 教育学部, 教授 (60283321)
鳥羽 耕史 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (90346586)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 教育 / 地域文化 / 歴史 / 1950年代 / 占領期 |
Research Abstract |
大内裕和『日本の奨学金はこれでいいのか!』は、1950年代において大きな問題となった教育と貧困、教育の機会均等の問題が、その後どのように変容していったのかを考察する歴史研究の成果である。教育と貧困、教育の機会均等という1950年代に浮上した問題が、現在新たな意味をもつようになっていることを明らかにしている。黒川みどり「日本近代部落史研究と被差別民」は被差別民に焦点を当て、これまでの日本近代部落史研究の捉え直しを行う研究成果である。また黒川みどり「文明中心移動説の形成」は、内藤湖南のアジア認識を対象として、日本近代思想史のあり方を植民地主義や差別の視点から相対化する研究成果である。長志珠絵『占領期・占領空間と戦争の記憶』「“CITY MAP OF KYOTO”**を「読む」―占領期研究序論―」「戦争の事後を考えるー東京市忠霊塔のゆくえ」は、戦後の占領期研究を、思想史的方法によって読みかえる試みである。1950年代論の新たな展開を行ったという点で、共同研究のテーマとも合致した貴重な研究成果である。水溜真由美「労働者の共同性とサークル運動 : 熊沢誠の「労働社会」論を手がかりに」は、労働者の共同性に着目して、サークル運動のあり方を考察した研究である。1950年代の地域文化活動のあり方に新たな視点を加えた研究成果である。鳥羽耕史「チャタレイ裁判と戦争」は、チャタレイ裁判を取り上げ、文学と戦争との関係を考察した研究成果である。石原俊『<群島>の歴史社会学』は、<群島>という周辺の視点から戦後日本や国民国家のあり方を再検討した歴史社会学研究の成果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究テーマと研究目的に沿った研究成果が順調に出ているから。
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Strategy for Future Research Activity |
今年は共同研究最後の年であるから、まとめの作業に入る。これまでの各自の研究成果を確認し、研究会を積み重ねることによって、研究成果をまとめていく。
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Research Products
(15 results)