2010 Fiscal Year Annual Research Report
図画工作・美術科教育における熟達教員の知共有システムの構築と検討
Project/Area Number |
22330250
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
三根 和浪 広島大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (80294495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 泰幸 名古屋芸術大学, 美術学部, 教授 (50041190)
若元 澄男 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (50240453)
奥村 高明 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター・研究開発部, 教育課程調査官 (80413904)
三澤 一実 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (10348196)
神山 貴弥 同志社大学, 心理学部, 教授 (00263658)
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Keywords | 図画工作 / 美術 / 熟達 / 教員 / 授業 / 知 / インターネット動画サイト |
Research Abstract |
「図画工作・美術科熟達教員の知」の共有システムを構築するために,本年度は小学校図画工作科及び中学校美術科の授業を対象に次を行った。 1.東京都,北海道,埼玉県,千葉県,神奈川県,長野県,広島県などの地域において実施された熟達教員による授業や関連情報を取材した。具体的な授業として,「はるはるすてきなぼうし(小1)」「宇宙人の化石(小3)」「箱の中の世界(小4)」「動くおもちゃ(小5)」「未来ウィンドウ(小6)」「さくらびアートプロジェクト(中1-3)」その他があった。 2.取材に当たっては,大きく(1)導入,(2)追求,(3)まとめ,の場面展開に分けた視点による観察を行った。取材後には録画された授業を確認し,優れた授業場面がどのように実現されているかを検討することによって,熟達教員が行っている指導のエッセンスを取材チームあるいは取材メンバー個人で抽出した。その結果,「指導内容の理解」「子ども理解」「指導の姿勢」などを満たす「上手な指導」を超えた「よい指導」,つまり造形表現の意味を伝える指導の大切さがクローズアップされた、そして,そのために「よさを認め合う場面の設定」や「自己のイメージを求める」ことが指導者の指導言(発話)の中に見られること,その他を抽出した。 3.授業者に対し指導の意図や方略などを取材後に面接取材し,「指導することと敢えて指導しないことの辨別」「製作に係る造形環境の整備」その他,授業実施上の配慮に関わる実践知を得た。 4.1~3を踏まえ,現在は情報発信のための編集作業を進めると共に,熟達教員の更なる情報の収集及び取材のための選定・依頼などを進めている状況である。
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