2010 Fiscal Year Annual Research Report
数論的基本群の構造の解明にかかわる数論幾何の諸問題
Project/Area Number |
22340006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
玉川 安騎男 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (00243105)
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Keywords | 代数曲線 / 被覆 / 基本群 / ガロア表現 / アーベル多様体 / 正標数 / 国際研究者交流 / 米国:仏国:英国:独国 |
Research Abstract |
研究実施計画に記載の通り、海外研究協力者のRasmussen氏(10月及び1月)、Cadoret氏(7月~8月及び12月)、Saidi氏(7月~10月)の来訪を実現、代数曲線の被覆と基本群に関する数論幾何について、研究の目的を十分に果たすことができた。(特に、Rasmussen氏の1月の来訪は、本補助金使用により実現した。)また、10月に数論的基本群を中核的研究対象とする2国際研究集会を開催、研究代表者も組織委員を務め、連携協力により研究計画遂行のための集中的な情報収集を進めた。特に、本補助金使用によるDebes、Lochak、Schneps、Schmidt、Quickの各氏の招へいは有意義だった。また、本補助金使用により、研究代表者の岡山大(2月)、東大(3月)出張をはじめ、何件かの国内出張を実現、研究計画遂行上意義ある研究交流、情報収集ができた。更に、本補助金使用により、高尾尚武氏を研究員として雇用(9月~3月)、本研究計画遂行に多角的に貢献してもらった。 具体的な実績としては、次のような成果をあげることができた。 1. Rasmussen氏とのアーベル多様体の有限性定理に関する共同研究について、本年度はいくつかの技術的進歩を得、また、論文執筆の構想を固めた。 2. Cadoret氏との基本群の表現に関する共同研究について、曲線上のアーベル多様体の族からくる幾何的基本群の法1表現について、技術的仮定の下で望まれる結果(種数の発散性)を証明していた(論文投稿済)が、本年度は、技術的仮定を全て取り除くことに成功し、最善の結果を得ることができた(論文準備中)。 3. Saidi氏との正標数に関する共同研究について、有限体上の曲線やその関数体の遠アーベル幾何に関して、ある種の局所条件を仮定した上でのHom版を証明し、学術雑誌に投稿していたが、本年度掲載決定となった。
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Research Products
(3 results)