2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22340023
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中村 玄 北海道大学, -, 名誉教授 (50118535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 尚文 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00238817)
川下 美潮 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80214633)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 逆問題 / 粘弾性方程式 / MRE / 安定性 / 断層同定 / 弾性係数 / 粘性係数 |
Research Abstract |
本研究の目的は、弾性方程式族の逆問題解決に必要な解析と数値計算手法の研究である。平成24年度は、(i)MREのエラストグラムへの応用を意図して粘弾性方程式に関連する逆問題と(ii)断層同定逆問題について研究した。(ii)については、ヒルベルト一意性法を試みたが、断層の等価外力項のような強い特異性を扱う事は出来なかった。しかし新しいアイデアを得ることは出来た。(ii)のエラストグラムとは、MREの計測データをそのモデル方程式である定常等方粘弾性方程式の解と見て、この方程式の弾性係数と粘性係数の同定する問題である。この方程式が単独方程式に帰着出来、その係数が連続微分可能かつ区分的に解析的、そしてある種の条件を満たす場合に、同定の局所的ヘルダー安定性を示した。もしも粘性係数が既知ならば、このある種の条件は満たされ、弾性係数同定に関する局所的ヘルダー安定性のみならず大域的一意性が従う。更に副産物として、弾性係数同定の不完全ニュートン法の収束性が従う。 また、MREの計測データを方程式の解としてモデリングすることなく、FBI変換(連続wavelet 変換の一つ)を用いて、MREの診断対象物の弾性係数と粘性係数を定性的に推定する方法を与えた。即ち、MREの計測データは、診断対象物中の粘弾性波の変位ベクトルの各点pの近傍における単純波の線形一次結合と見て、これらの関数の一次結合係数の絶対値(即ち振幅)が最大となる位相関数を求める方法である。ここで単純波は、exp[iω(-iα+β)・(x-p)]の形をしたxの関数であり、ωは角振動数、α, βは波動ベクトル、減衰ベクトルに相当し、iは虚数単位、「・」は実内積を表す。 関連研究としては、熱方程式のlinear sampling法、異常拡散方程式の解のCarleman評価について研究し、粘弾性方程式の逆問題への応用についての知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)