2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22340035
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
辻井 正人 九州大学, 数理学研究院, 教授 (20251598)
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Keywords | 力学系 / カオス / 量子カオス / 関数解析 / ゼータ関数 |
Research Abstract |
本研究課題の目的にむけての基礎的課題として接触アノソフ流に対する転移作用素,特に,半古典転移作用素のスペクトル的な性質についての研究をすすめた.研究実施計画に沿い,年度の前半はこれまでの研究結果の整理と情報交換を旨として研究をすすめた.具体的にはFBI変換と呼ばれる波束変換を用いることで非等方ソボレフ空間と呼ばれるヒルベルト空間を構成し,転移作用素のスペクトルについての精密な結果を示した結果について論文「Contact Anosov flow and the FBI transform」をまとめ,プレプリントとしてMathArXivに公開し,雑誌に投稿した.また,結果を国内のいくつかの研究集会とイタリアで開かれた国際研究集会において発表した.年度の後半は接触アノソフ流についての(半古典)ゼータ関数について研究し,その零点や極について前半での研究結果に対応する結果を得た.それについてが現在論文を執筆中である.また,Frederic Faure氏(Fourier Institute, France)と共同で,接触アノソフ流の流れの方向に高い周波数を持つ関数への作用のモデルとして,シンプレクティックアノソフ写像についての前量子転移作用素のスペクトルを研究した,まとめとして,3月にGrenobleにおいてFaure氏を訪問し,10日間にわたり議論をした.この結果についても現在論文にまとめているところである
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Research Products
(3 results)