2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22340084
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
中山 正昭 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30172480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 大貴 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (00295685)
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Keywords | マイクロキャビティ / 分布ブラッグ反射鏡 / 励起子 / キャビティポラリトン / ラビ分裂エネルギー / CuCl / CuI / ZnO |
Research Abstract |
平成22年度では、励起子束縛エネルギーが通常の半導体と比較して極めて大きい励起子安定物質である銅ハライド、及び、ZnOを活性層とした分布ブラッグ反射鏡型マイクロキャビティ構造の作製方法の確立と励起子-光子相互作用の制御を目的として研究を遂行した。研究実績の概要は以下の通りである。 1. マイクロキャビティのベースとなる分布ブラッグ反射鏡として、酸化物で安定なHfO_2/SiO_2多層膜を採用し、二元rfマグネトロンスパッタリング法を用いて1nmの精度で多層膜作製を行う方法を確立した。 2. 銅ハライド活性層に関しては、CuClとCuIに着目し、真空蒸着法により高品位結晶性薄膜の作製を行った。上記1のrfマグネトロンスパッタリング法と真空蒸着法を複合することにより、分布ブラッグ反射鏡型CuCl及びCuIマイクロキャビティの作製方法を確立した。さらに、多様な活性層厚のCuClとCuIマイクロキャビティを対象として、角度分解反射スペクトルと角度分解発光スペクトルの測定を行い、キャビティポラリトン(励起子とキャビティに閉じ込められた光子の強結合状態)分散関係を実験的に求め、現象論的ハミルトニアンに基づく解析から励起子-光子相互作用の強さを反映するラビ分裂エネルギーを系統的に決定した(ラビ分裂エネルギーの制御)。 3. ZnO活性層に関しては、レーザーアブレーション法により高品位結晶性薄膜の作製を行った。上記1のrfマグネトロンスパッタリング法とレーザーアブレーション法を複合することにより、分布ブラッグ反射鏡型ZnOマイクロキャビティの作製方法を確立した。ZnOマイクロキャビティでは、ZnO固有のA、B、C励起子とキャビティ光子との強結合により4つのキャビティポラリトンが形成される。本研究において、世界に先駆けて、そのキャビティポラリトン分散の精密な決定に成功した。
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Research Products
(12 results)