2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22340162
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
久保 友明 九州大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (40312540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 工 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (90214379)
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Keywords | 氷天体 / 高圧氷 / 塑性変形 / 結晶粒成長 / 変形実験 / 放射光X線その場観察 |
Research Abstract |
本研究では塑性変形実験、結晶粒成長実験、および原子拡散実験に基づいて、氷天体物質の高圧下における流動則を明らかにすることを目的とし、平成22年度は以下のような研究を行った。1)放射光単色X線と高圧変形装置D-DIAを用いた高圧氷の塑性変形実験:放射光実験施設photon factoryに実験課題を申請し受理され、2-7GPa付近において氷VII相の塑性変形実験を開始した。放射光単色X線とD-DIAを組み合わせて用いることにより、高圧氷の相転移、試料の差応力、歪み、結晶粒径をその場観察し、いくつかの条件で塑性流動データを得ることに成功した。2)低温ガス圧変形試験機を用いた2相系氷の塑性変形実験:米国MITのDurham博士の研究室においてD-DIAを用いた高圧変形実験手法に関して検討を行うとともに、H_2OとCO_2氷2相系の高圧下における塑性変形実験を行い、2相の成分比と流動強度変化を系統的に明らかにした。3)放射光単色X線とダイアモンドアンビルセルDACを用いた高圧氷の結晶粒成長実験:放射光実験施設photon factoryに実験課題を申請し受理され、1-3GPa付近において氷VI相およびVII相の結晶粒成長実験を開始した。二次元X線回折図形に記録された回折斑点数の時間変化を利用して、高圧氷多結晶体の粒成長速度をいくつかの条件でその場観察することに成功した。また偏光顕微鏡を用いて氷のVI-VII相転移速度の測定を行い、高圧氷の成長遠度と圧力変化のカップリングについて検討した。4)低温ステージおよび顕微ラマン分光システムの立ち上げ:氷天体物質の相同定、組織観察、粒径制御、また原子拡散実験に用いるため、既存の偏光顕微鏡に冷却ステージと顕微ラマン分光システムを設置した。DAC中の高圧氷の顕微ラマン測定が可能となった。 これらの成果を複数の国内、国際学会において発表した。
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Research Products
(4 results)