2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22340162
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
久保 友明 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (40312540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 工 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90214379)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 氷天体 / レオロジー / 放射光X線 / 高圧氷 / 原子拡散 |
Research Abstract |
氷天体の熱的進化や内部ダイナミクス,多様な表面テクトニクス、内部海の存在の有無を議論するために、高圧下での氷の流動特性を明らかにすることが極めて重要である.本研究では、H2O氷や副成分氷を含む氷天体物質の相転移、塑性流動および原子拡散に関する実験を行うことを目的とした。当該年度は放射光施設photon factory(PF)において高圧変形マルチアンビル装置(D-DIA)を用いた高圧氷VII相の塑性変形実験を行った。圧力15万気圧、温度650K付近までの条件で歪み速度を変化させながら定量的な変形実験を行い、放射光X線を用いてクリープ曲線を測定した。その結果、300Kにおいて流動則の応力依存べき指数と圧力依存性(活性化体積)を制約した。氷VI相に比べて活性化体積の値はかなり小さく、大型氷天体内部の氷マントルの粘性率に関して、圧力2GPaまでは急激に上昇するが、それ以深では緩やかな上昇になると予想される。これまで行った高温下の実験では氷の柔粘性結晶に関連した変化は認められなかった。また、顕微ラマンマッピングを用いて氷Ih多結晶体のH2O-D2O相互拡散現象の観察を試みた。常圧下で268-253K、低温ガス圧装置を用いて100MPa,236-256Kの条件で拡散実験を行い、低温ステージと顕微ラマン分光装置を用いて拡散プロファイルのマッピング測定に成功した。体拡散に加えて粒界拡散も観測された。氷の塑性流動はその原子拡散に律速されており、これらの実験手法および得られたデータは氷多結晶体の流動則を確立する上で非常に重要である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)