2012 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマ励起軟X線レーザー照射による原子・クラスターの非線形X線吸収過程
Project/Area Number |
22340174
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
難波 愼一 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00343294)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 牧 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (40360432)
長谷川 登 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究員 (50360409)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | X線レーザー / クラスタープラズマ / 非線形光学効果 / 強結合プラズマ / 内殻電離プラズマ |
Research Abstract |
本研究の目的は,日本原子力研究開発機構関西研にて開発された世界最高レベルのプラズマ励起高強度軟X線レーザー(波長: 13.9 nm, パルス幅: ~7 ps, 強度: 1013 W/cm2以上)と物質との相互作用により初めて実現可能となるX線領域での非線形光学現象を世界に先駆けて観測することにある。特に着目するのは非線形効果が寄与する,①内殻電離過程の異常増大と②内殻電離が誘起する強結合プラズマの発生である.なお,相互作用物質は,このX線レーザーで4d電子の内殻電離が可能であるキセノンであり,さらに集団的な振る舞いを調べるために原子はクラスター状となっているものを採用する(ファンデルワールスクラスター). まず,①の実験に関しては従来の放射光では観測されないようなダブルオージェ崩壊過程が存在することをイオン質量分析により突き止めた.この非線形現象を理解するために光電離,電子衝突電離を含むレート方程式プログラムを構築した.さらに飛行時間型の電子分光器を用いたエネルギースペクトル計測より,詳細な内殻電離ダイナミクスを明らかにすることに成功した. 一方,②に関してはピコ秒オーダーという極短時間ではあるが,内殻電離によって誘起される低温高密度の強結合クラスタープラズマが発生することを電子スペクトル計測,及び,数値計算により明らかにした.このような特異なプラズマの発生は高強度X線パルスの実現により初めて可能となるものであり,その成果はPhysical Review Aにて報告した.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)