2012 Fiscal Year Annual Research Report
希土類錯体の近赤外発光を利用したイメージング材料の開発
Project/Area Number |
22350065
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
篠田 哲史 大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (00285280)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 希土類錯体 / 近赤外光 / イメージング / 多核錯体 / タンパク質 / センシング / 水溶性 / エネルギー移動 |
Research Abstract |
水溶液中で強い近赤外発光を示す希土類錯体の開発、およびその発光を利用する生体基質のセンシングやイメージングを目指した研究を行った。 (1)トランスフェリンから鉄イオンを除去したアポタンパク質にイッテルビウムイオンを配位させると、水溶液中で紫外励起によって近赤外発光を与える錯体が得られ、中性付近でpHに敏感に応答する発光センサーとして利用できることを明らかにした。この錯体は、炭酸イオン濃度に対して高選択的な発光応答を示したことから、炭酸イオンセンサーとして応用できる可能性も見いだした。細胞内のイオン濃度分布を可視化するプローブとしての利用が期待されるため、共同研究を通じて近赤外光イメージングに向けた材料開発を始めている段階である。 (2)神経伝達物質であるドーパミンに対して、希土類錯体を利用した発光センシングの実現に取り組んだ。強い可視吸収を有する金属ポルフィリン錯体とアニオン認識能および近赤外発光能をもつ希土類錯体を結合させたハイブリッド型レセプターを合成し、溶液中でドーパミンに対する応答を評価した。ドーパミンのカテコール部位とアミノ基部位がそれぞれの金属錯体によって認識され、単体では見られない結合特性や発光応答性が現れたことから、生体内での観測にも適したドーパミンセンサーの可能性を見いだした。現在は、より高い結合力の付与や基質認識メカニズムの解明を目指した合成研究を行っている。多官能性の生体基質を直接センシングできる分子は有用な研究上のツールになりうることから、類縁の神経伝達物質についても今後検討を進める予定である。また、この研究開発過程において見いだした新規化学反応により、近赤外発光が飛躍的に増大する現象を見いだしたので、新たな機構を利用した発光センシング系の構築に現在取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)