2010 Fiscal Year Annual Research Report
電界誘起電子スピン共鳴法による有機トランジスタ界面トラップ準位の微視的起源の同定
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22360012
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
長谷川 達生 独立行政法人産業技術総合研究所, 光技術研究部門, 研究グループ長 (00242016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 寿一 独立行政法人産業技術総合研究所, 光技術研究部門, 主任研究員 (20358261)
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Keywords | 有機トランジスタ / 電子スピン共鳴 / 有機半導体 / 電子輸送 / トラップ準位 |
Research Abstract |
本年度は、有機トランジスタ内でキャリアを局在化させる機構を明らかにするため、電界誘起ESR法を駆使した以下の研究に取り組んだ。第一に、電界誘起ESR法によりトラップ準位の数密度を評価・解析する手法を確立するため、薄膜トランジスタ(TFT)を10枚程度重ね合わせて電界誘起ESR信号強度を増強し、これにより従来に比べ3~5倍程度S/N比を向上させることに成功した。第二に、前記測定法を利用し、低温でペンタセンTFTの電界誘起ESRスペクトルを異なるゲート電圧(キャリヤ数)のもとで精密測定し、そのスペクトル解析によりトラップ状態密度分布を評価した。その結果、ペンタセンTFTのトラップ準位分布はいずれのゲート電圧においても離散的な深いトラップ準位(広がりは1.5分子程度と5分子程度の二種)と、連続的な浅いトラップ準位(6~20分子にわたる分布)からなっており、キャリア数増加とともに深い準位はそれほど変化しない一方で、連続的な浅いトラップ準位の密度増加と、より浅い準位の充填が見られることが分かった。以上の結果は理論的な予想と一致しており、電界誘起ESRスペクトルの解析に高い信頼性があることを確認することに成功した。 第三に、同様の解析を別種の有機半導体であるDNTTからなる薄膜トランジスタに対して行い、ペンタセンTFTの場合と類似した離散的な深いトラップ準位(広がりは3.3分子程度と11分子程度の二種)と、連続的な準位(5~40分子に渡る分布)からなることを見出した。以上から、電界誘起ESR法による有機トランジスタの界面トラップ状態密度分布の評価・解析法の確立と、これを用いて有機トランジスタに共通して存在する弱く局在したトラップ準位の存在を明らかにすることに成功した。
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Research Products
(20 results)