2012 Fiscal Year Annual Research Report
電界誘起電子スピン共鳴法による有機トランジスタ界面トラップ準位の微視的起源の同定
Project/Area Number |
22360012
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
長谷川 達生 独立行政法人産業技術総合研究所, フレキシブルエレクトロニクス研究センター, 副研究センター長 (00242016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 寿一 独立行政法人産業技術総合研究所, フレキシブルエレクトロニクス研究センター, 主任研究員 (20358261)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 有機半導体 / 電子スピン共鳴 / 薄膜トランジスタ / トラップ / 有機エレクトロニクス / キャリア輸送 / プリンテッドエレクトロニクス / アンダーソン局在 |
Research Abstract |
本研究は、有機薄膜トランジスタにおいて、ゲート電圧により蓄積したキャリアが持つスピンを探針とする電界誘起電子スピン共鳴(FI-ESR)法を用いて、デバイス特性を劣化させる構造的・化学的要因を調べる評価解析法を確立することを目的とする。最終年度である本年度は、前年度までに得られた知見を総合し、デバイス内のキャリアを局在化する原因の理論的な解析、各種の新材料への適用による手法の一般化、および成果普及に取り組んだ。第一に、半導体とゲート絶縁層の界面近傍でキャリア輸送が生じるデバイス構造の特徴に着目し、絶縁層内の電荷分布の乱れがキャリア輸送に及ぼす影響を理論的なモデル解析により調べた。高分子によるゲート絶縁層を想定し、極性基のランダムな分布によって半導体界面に誘起されるポテンシャル揺らぎを見積もった結果、その揺らぎが数十meVに及び、これがFI-ESR法で観測された連続的な浅いトラップ準位を与えることが明らかになった。第二に、昨年度開発した微結晶内・微結晶間のキャリア輸送を分離する評価解析法を、近年開発が進むドナー・アクセプター型ポリマー半導体に適用し、輸送機構を精密に評価した。プッシュコート法により高撥水基板上に製膜したPNDTBT薄膜について、FI-ESRスペクトルと伝達特性の温度依存性とその比較・解析から、微結晶内・微結晶間の運動頻度とともに、電極における障壁ポテンシャルが見積もられることを明らかにした。第三に、以上を含む研究成果を日本物理学会誌等に解説記事を寄稿し、本研究によって得られた研究成果の普及を図った。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(16 results)