2010 Fiscal Year Annual Research Report
無水銀光源の高効率化に向けた量子分割型蛍光体材料の開発
Project/Area Number |
22360038
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
神野 雅文 愛媛大学, 理工学研究科, 教授 (30274335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本村 英樹 愛媛大学, 理工学研究科, 助教 (80332831)
上村 明 愛媛大学, 理工学研究科, 助教 (40274336)
橘 邦英 愛媛大学, 理工学研究科, 教授 (40027925)
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Keywords | 量子分割 / 蛍光体 / 無水銀光源 |
Research Abstract |
Pr^<3+>付活の蛍光体は、VUV光源の励起スペクトルにより、Pr^<3+>の^1S_0準位(4f^2)からの量子分割(quantum cutting)発光が期待できる。XeのVUV発光を用いた高効率無水銀光源を実現する蛍光体について、Pr^<3+>付活のアルミン酸ストロンチウム蛍光体(SA:Pr^<3+>)の研究を行った。本年度は焼成温度によるSA:Pr^<3+>の粉体特性及び発光特性の変化を調査した。 作製には高温管状炉を使用して、焼成温度1673Kから1873Kに変化させ、昇温5hr、保温8hr、降温5hr、雰囲気ガスにArをフローさせた状態で、SA:Pr^<3+>(Pr濃度:3mol%)の焼結を行った。 作製したSA:Pr^<3+>のXRDパターンは、焼成温度が1773K以下の場合の場合、SrAl_2O_4の文献値と一致している。また粒子の形状は比較的丸みを帯びたものが数多く見られる。一方、焼成温度が1873KのSA:Pr^<3+>のXRDパターンは、SrAl_<12>O_<19>の文献値と一致している。形状は全体的に六角形の平板状のものが数多く見られる。蛍光スペクトル測定の結果、焼成温度が1773Kのときは、250~350nmのUV領域にわたる弱い広帯域スペクトルのみが確認された。これは、母体結晶構造の影響によりPr^<3+>の4f^15d^1の最低準位が^1S_0準位よりも低くなり、一般に狭帯域スペクトルを放射するf-f遷移ではなく、広帯域スペクトルを放射するf-d遷移(4f^15d^1→^3F_4、^1G_4)が寄与するためと考えられる。一方、焼成温度が1873Kのときは、^1S_0→^3F_4:254nm、^1S_0→^1G_4:273nmのUV領域と、^1S_0→^1I_6:402nm、^3P_0→^3H_4:486nmの可視領域に狭帯域スペクトルが確認された。従って、可視領域の発光強度を増加させるには、SrAl_<12>O_<19>の結晶構造を選択的に成長させることが重要とであると考えられる。
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